イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

駅、青いかばん。

土曜日のこと。

電車を待ってホームに立っていると、ホームに次々と青いかばんの子たちがやってきました。

みんな同じかばんなんだな。学校指定なのかな?

横に長いかばんをリュックのように背負っています。

みんな同じような学年なんだけどなぁ友だちではないんだな・・・

同じ駅で、同じかばんならば話す様子があってもおかしくないはずなのに、

彼らは話しをする様子はほとんどありません。

時々、男子2人や女子2人連れでホームに駅の階段から降りてくる子がいて、

そういうパターンは最初から友だち同士らしいのですが、

なんだか楽しそうな様子もなく、それぞれがスマホの画面を見つめながら電車を待っています。

親と連絡を取っているのか、スマホで一生懸命ホームで電話している子も。

 

そのうち電車がやってきて、私と同じ電車に乗り込みました。

車両内には、やっぱり同じかばんの子たちがいました。

ほお〜。この子たちはどこへ行くんだ?

と思いながら、私の隣の席に座っていた女の子にチラリと目を向けると、

彼女は『中学受験参考書』を膝の上に開いていました。

そこでようやく気が付きました。

この青いかばんは塾の専用かばんなのか!

この子たちは、同じ時刻に同じ場所へ行く用事があるんだな。

ということは模試なのかな、授業なのかな・・・

次の駅でも、その次の駅でも、同じ青いかばんの子が乗車しました。

 

中学受験って、1月には本番らしいので、今が追い込みなんでしょうね。

乗り換えの駅で降りようと思ったら彼らも一緒の駅だったようで、

ホームに降り立つとどのドアからも青いカバンの子たちがわっと降りて、

改札口へ続く階段をぞろぞろと上がっていきました。

彼らの後ろで、私も同じく階段をのぼりながら、

娘と同じくらいの背丈の子に追い抜かれました。

「そうか!彼らは娘と同い年か!!」そこでやっとそんなことに気が付きました。

そして

「うちの娘は今頃、河原で野球やってら」と思ったらなんか笑えてきました。

目指す上にもいろいろあるな。

娘は野球の上達を、青いかばんの彼らは志望校の合格を。

 

寒さの中で頑張る小6生。

がんばるものはみんなちがうけど、みんながんばれ、

そう思いながら私は乗り換えのホームに向かったのでした。