イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

伸びしろ

長男、大会遠征で4時起き。

集合場所まで送りながら、

こないだ早起きして松戸に行ったときはまだ1月だったから寒かったよね、

日の出が早くなったね、日も伸びたよね、と話す。

季節はめぐる。

「あのとき、松戸で負けたの今でも思い出すと悔しいよ」と長男。

へえ〜思い出しても悔しいとはよほどだね。

「勝てた試合だったんだよなー。勝てばベスト4だったんだよな。

 まあでも・・・俺がもうちっと上手ければ、と今でも思ってる」

ほお。ペアのせいにしないところはえらいな。

 

 

長男、2月頃に

「おれ、テニス部退部するわ」

と言い出しました。

これには母ちゃんびっくり。

「テニス部は退部して、Hから誘われたクラブチームに行く。

 Hと、うーやんと、俺の3人がそっちに行く。」

とな!

えええ???!!!

部活動の地域移行のからみで、これまで中学校単位でしか出場できなかった大会も、

クラブから出場できることになった、と長男。

誘われたのは県内の錚々たるメンバーが集まる小さなチームで、学校の部活とは別物。

中学最後の総本山の大会も、そちらのクラブから出場する、と本人。

母ちゃんはすぐさま、個人ペアで組んでたやっちんのことも思い出し、

いつも丁寧に関わってくださってる顧問のA先生の顔も思い浮かべ、

あんたたち3人がいなくなったらどうなるのよ?!

部長と副部長がごっそり抜けるなんてありえないでしょ!とも思って

「それはちょっと・・・」

とたじろいでしまいました。

それで3日間、長男と父ちゃんと私で話し合い。

いや、むしろ私と長男は親子ゲンカ(苦笑)。

長男は

「楽しむテニスはこれまで8年間、じゅうぶんやらせてもらった。

 こっから先は苦しくてもいい、うまくなりたい」

とな。

そんだけの凄腕メンバーが集まったら、きみはそのチームではずっと補欠だと思うよ?

とも話すと、

「それでもいい、クラブの子らと上を目指したい」

と。。。

 

親としてはきょうだいの野球の送迎もあるし、

もっと言えば勝つだけがスポーツじゃないという頭も私にはあって、

だからこそ、強豪チームへ行ったら結果だけ追うことになるのでは?という懸念もあり、

本人の意思は尊重したいけど賛成はできない、という立場でした。

でも父ちゃんが

「やるのは親じゃないんだよな」

と。

「ここでチャレンジを思いとどまらせたら、一生言われるだろうな」とも。

父ちゃん、子どもの頃に親が理解がなくて、

不良から更生してその後、2つ目の高校卒業するときに進路の相談に全然乗ってもらえなかったそうな。

やりたいと言ったことことごとくダメ出しされて、

結局、学費の安かった農業大学校ならOKが出て進学したと。

もっと言えば、子ども時代にスポーツもやりたくて親にも言ってみたけど

あれもだめ、これもだめ、金がないから無理と言われてなんもできなかったそうな。

そんなこんなしてたら、やることなくてぷらぷらしててグレちゃったんですねー(笑)

そういう経験があったからなのか、父ちゃんは子どもの気持ちには一定の理解があって

「まあ、Kの気持ちは聞いてやることしかできねえけど」

と。

「親も、できる範囲は限られてるけど、できるだけのことやってやるしかねえよな。

 引退まであと何ヶ月もねえもんな」

とも。

 

そんなこんな、ではもう退部以外に道はないのか、と思っていたところに、

顧問のA先生から電話。

クラブへの参加の件はKから聞きました、どうかお母さん心配しないで、

部活もクラブも両方参加したらいいじゃないですか。

だってほら、学習塾とそろばん塾は一緒に通えますよね?何もおかしことはないですよ。

だから3人ともこのまま在籍OKです!

部活動の地域移行は、子どもたちにとってはチャンスの場でもあります。

総体に一緒に出られないことは正直、さびしいとも思ってはいます。

だけど、それだけ実力のあるメンバーが集まるクラブなら、ぜひ関東、全国目指してほしい。

子どもたちにも、先生、めっちゃ応援に行くからな!絶対がんばれよって話しましたから。

・・・・・電話しながら、母ちゃんは泣きそうになりました。

個人で組んでたやっちんのママにも直接会って話をして、

そしたら「ものすごく残念だけど応援するよ!一緒に組めないときも出てくると思うけど、ずっと友達でいてね!私ともママ友でいて!!」

と・・・

もうほんと、みんなみんないい人で涙がでちゃう。

 

 

そして迎えた新年度。

クラブでの初大会が昨日。

結果は個人3位、団体は優勝。

「第一シードの強いとこと当たったけど、ファイナルゲームで競り勝った」と本人。

 

”このあたりでいいんじゃない?”と思っているのは親だけで、

本人は親の思わないところで、もっともっと上を目指して、そんでもって努力もしてたんだなと、

持ち帰った賞状と盾を見ながら思わされました。

 

子どもと一緒に迷ったり、悩んだり。

喜んだり、泣いたり。

でも、迷った分だけ道は深まった。

まだまだ、伸びしろあるんだな。

私にも、長男にも。

関わってくださる、たくさんの人に感謝です。