イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

発達凸凹チビ太の本音

チビ太さん、学校でも野球でもゴネゴネ。

連日のように、ほんとに些細なきっかけでへそを曲げてしまう。

曲がったへそはなかなか直らず、ひどく暴れたり、どこかへ行ってしまったり・・・

家の庭に転がって、30分泣きわめいていることもしばしば。

ここ最近本当にひどかったので、こりゃ困ったな・・・と感じていました。

学校はともかく、野球でそれが始まると困っちゃう。

こないだなんか、兄弟げんかの末に歩いて家まで帰宅してしまいました。

たまたま私が校庭にいる時だったからいいものの、

いない時だったらみんなで探し回ることになっていたのでは・・・

と思い、ちょっとぞっとしました。

家族が迷惑かけられるんならまだしも、よその大人に迷惑をかけるのは困ります。

 

極めつけは日曜日。

野球の試合があって朝はすんなり行けたので安心していたのですが、

9時頃になってお当番のママから電話があり(私は当番でなく家で弁当作ってました)、

チビ太が出発の車に乗ってくれない、とな。。。

なにかで誰かとケンカになったらしいけど、

なんだかよくわからない。

グラウンドからぷいっと居なくなってしまい、

体育館のうらに潜んでいた様子。

「見つけたけど、今度は”出発しない”と言ってる」と。

平謝りしながらすぐに私が駆けつけると、いたいた、体育館の隙間に。

みんな、試合開始時刻を逆算して動いているわけですから、

一台でも出られない車があるとチームは大迷惑。

幸い、他のみんなは先に行ってくれて電話をくれたママだけがチビ太の見守りで残っていてくれたのですが、ほんとに平謝りでした。

それでもみんなやさしくて、昼ごはんのときには

「チビ太を朝一緒に連れていけなくてすみませんでした」

と他のパパが私に言ってくれ、こちらが謝らなきゃいけないのにとありがたくて涙が出そうでした。

 

こんなことばかり続き、チビ太に疲れてた母ちゃん。

月曜日になり、チビ太、何が原因なのか長男と朝から揉め事。

学校へ行く5分前だったので、

こりゃもう行かないとゴネだすパターンか・・・と覚悟を決めて遠目に見ておりましたが、

予想通り、見事にゴネだすチビ太。

姉と兄には先に学校へ行ってもらいチビ太は落ち着いてから連れて行くことに。

 

20分かかってやっと泣き止み(泣いてる間は放っておく。そのほうが早い、と母ちゃんは学んだ)、

落ち着いた頃を見計らって、一緒に学校まで行こうと誘ったら、どうにかこうにか靴もはけました。

「なんで学校行かないといけないの? おれ、学校つまんないんだよ」

ですって。

「ひらがなも書けるし、カタカナだって書けるよ。足し算と引き算もできるし。

 それで、なんで座ってなきゃいけないのか意味がわかんないよ」

とも。

そうだろうなあ・・・キミにとってはそうだろう・・・。

体を動かすのが大好きなチビ太にとっては、授業が退屈で仕方ないのだそうです。

 

******

夜になり、久しぶりにチビ太とお風呂に入りました。

するとチビ太が

「おれさあ、自分で何がしたいんだか、何が楽しいんだか、全然わからないんだよ」

とポツリ。

「何をしてても楽しくないし、うれしくもない。どうしたらいいかわかんない。」

母ちゃんはこの一言を聞いて驚きました。

小学校1年生でこんなことを思うものなのか、と。

さらに

「自分が生きてる意味ってあんのかな、こんなに人に迷惑かけてばかりで、生きてる意味なんてあんのかなって、さいきんすごく思うんだよ・・・・」

とも。

これが小1の言葉か、と驚きつつ、困っていたのは周りにいる大人たちではなく、それ以上に本人が困っていたということがわかった瞬間でした。

母ちゃんは涙が出そうでした。

「母ちゃんは、チビ太がうちの子でよかったっていつも思ってるよ。

 いろいろやらかしちゃうけど、ほんとはいい子なんだよね。

 母ちゃんは知ってるよ」

と言って頭をなでてやったら、しくしく泣き出し、

「そんなこと言われたらなみだがでちゃう」

ですって。

これにはもらい泣きしました。

 

お風呂からあがってみんなでご飯を食べ始めると、

泣いたせいで食欲が出なかったらしくチビ太は居間に転がっていました。

それで、なんでチビ太が落ち込んでいるのかを母ちゃんがみんなに説明しました。

ここ最近いろいろやらかしていたけど本人もとっても悩んでいたこと、

やらかしちゃったあとに「なんでこんなことしちゃったんだろう」と暗い気持ちになっていたこと、

どうしてこんなにいろんなことに怒っちゃうんだろう、と困っていること、

こんなに迷惑かけてばかりで、生きてて意味あるのかなと感じていること・・・

 

すると娘とちゅーたんがすかさず

「わかるわかる!!それ、まったく同じこと感じたことある!!」

「すごくよくわかるよ、いつの間にか自分で怒り出しちゃって、もうどうにもなんなくなっちゃって、

 でもそのあとにすっごく落ち込んで、この場からいなくなりたい、って思うんだよ」

と、二人とも声をそろえて話してくれました。

母ちゃんは気が付きました。これは、発達凸凹の子がきっとみんな抱えてる感情なんだ、と。

悪循環から自分で抜け出せずに苦しいんだけど、

解決方法がぜんぜんわからず毎日が袋小路で、

やらかせばやらかすほど悪い子レベルが上がっていくようで、

先生にも親にも迷惑かけまくりで、そんな自分が生きてることに意味があるのかと悩む・・・

子どもたちの話を要約すると、そんな感じでした。

そして娘が

「チビ太がそれを言葉で言えたのはすごいと思う。私は3年生終わる頃まで言えなかったし、言葉にしてまわりにそれを伝えるってこと(方法)に気が付かなかった」

と言っていました。

たしかに。1年生でそれに気がついたのはすごいことです。

もっと言えばちゅーたんは「言葉で言えると思ってなかった」とも言っていました。

そうかー、そうだよなあ。

自分の気持ちを言葉で伝えるのってほんとに難しいもんね。

 

暴れているその一コマを見ればまったく衝動的にその場の怒りを爆発させているようにしか見えないのですが、

周りの人間が思っている以上に深いことを考え、困っているんだということが伝わってきました。

チビ太は、姉も兄も自分と同じことを感じたことがあるとわかってホッとしたのかまた盛大にしくしく泣き出し、

「・・・おれ、野球で迷惑かけないようにもう少しがんばる」

と言ってくれました。

 

昨晩は私の布団の中に入れてあげ、一緒に寝ました。

チビ太、ほんとにやんちゃでクソガキなんですけど、

ほんとはやさしいんですよ。

お菓子が人数分ないときはかならず「おれはいいよ、みんなでわければ」

って言ってゆずってくれるんです。

スーホの白い馬を読んでやったら、馬もスーホもかわいそうだと言って泣くしね。

暴れん坊だから勘違いされやすいけど、ほんとは繊細なんですよ。

繊細だから、自分の思いがこんがらかるんでしょうね。

 

 

学校の先生にも、野球のコーチにも、まだまだこの先謝ることばかりだろうけど・・・

少しずつでも、チビ太のがんばる姿が伝わればいいな、と感じているところです。