イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

出前授業

昨日は初めて、高齢者福祉施設へ書道の講師として出かけてきました。

デイサービスセンターでの講座です。

講座依頼があったときは、どんな雰囲気なのかもどんな展開になるのかも予想がつかず、

まず1回目はボランティアで無償で出かけますと伝えてありました。

つまりその1回目が昨日でした。

 

セッティングされた書道の道具を前に、

「あたしゃあ、習字なんて何十年もやったこたないよ」

と言いながらも先週あたりにはどうやら書いたらしい、というおばあちゃんもいて、

いいわ〜〜〜いつも色んなことを新しく感じるなんてうらやましい気がする〜〜〜

とほっこり♡

手本は私が書いて何種類か用意していったのですが、

書きたい手本を選びながらおじいちゃんが

「習字なんて、おりゃ(俺は)得意じゃねえんだ」

と何度も文句を言い、それでも

「おーい、半紙くれや〜」と施設職員さんを呼んでいたりして、

おもろいわ〜〜みんなキャラ濃い〜〜♡とまたまたほっこり。

 

持病によるものなのか、手がしびれて震えて書けないと言ったおばあちゃんとは、

私が一緒に筆を持って書き、

手本を写してずるして書こうとしたおじいちゃんに

「それは禁止でーす、バツーーー!」と笑いながらツッコみ、

二度書きをしているおばあちゃんには隣のおばあちゃんが

「二度書きダメだわー」と指摘してみんなで大笑い。

ゆるゆるながらも、トークもみんなはずんでなんか楽しい〜!

 

いつも、お習字やりましょうと職員さんが誘ってもぜったい書かないかたが2名いるらしいのですが、

そのかた2名がすごい集中力で何枚も取り組んでいるのを見てみんなでびっくり。

昨日は私はみなさんの作品に朱墨で花丸印を書き入れて行ったのですが、

一人のおばあちゃんが私が書いた花丸に

「ありゃー!こんなん書かねえでくろ!(書かないでちょうだいの意味)」

と言ったので、

自分の作品に朱墨入れられるのがお嫌いだったのかと思い慌てて謝ったのです。

するとなんだか様子がちがっていて、

「こんなことされたんじゃあ、恥ずかしくてもう書けね!」

と照れて両手で顔を隠してしまいました。つまり、嬉しかったんですね〜〜!!

可愛すぎて思わずおばあちゃんをハグしました。

 

私は今まで、こういったスタイルでのお仕事させてもらうこともなかったし、

なんのイメージも持たずに出かけていったわけなんですが、

誰かの役に立つってこういうことなんだ、

私の”しごと”はみんなの笑顔を引き出せることがあるんだ!とものすごく嬉しい気持ちになりました。

みなさんのモチベーションアップが功を奏して、

すでに施設に展示してあったこれまでの作品とは別人のような素敵な作品がずらり!

職員さんたちにも喜んでいただけました。

 

今後は月2回くらいのペースでゆるゆると出前に行く、という運びとなりました。

余談ですが、一番ウケたエピソード

  ↓

私が手本で持ってったものを指さしておばあちゃんが別のおばあちゃんに

「あんた、それ書いたのかい。うまいもんだねえ」と声をかける。

声を書けられたおばあちゃんは

「んなわけねえ、こりゃ手本だ」と返答。

「ああ、そうかぁ よっぽどうまいと思ったよお あっはっは」

とおばあちゃん。

3分後。

「あんた、それ書いたのかい。いやあうまいねえ」

とおばあちゃん①。

「ああこりゃおれが書いたんじゃない、こりゃ手本だ」

とおばあちゃん②。

「ああ、そうかあ〜 どうりでうまいと思ったよお〜〜」

とおばあちゃん① 以下繰り返し。。。

これをエンドレスリピート(笑)

このやりとりのたびに私も施設職員さんも何度でも笑ってしまい、

ほんとにほっこりさせてもらいました。

 

上手く書くだけが書道じゃない、

筆を持つってほんとは楽しいんだよね、と心から思わせてもらいました。

来た仕事をできる限り断らないことを信条にしている私。

今回もたくさんの勉強をさせてもらえそうでワクワクします。

出会いに感謝!