本好きの友人Sちゃんが貸してくれた本。
面白くて、一気に読みました。
もともと、”暮しの手帖”に連載されていたエッセイを、
一冊にまとめたものだということで、
内容は、肩の凝らないものになっています。
とはいえ、奥が深い。
荻上チキさんの世界観、
これまで生きてきた中で考えたこと、
いじめを受けた少年時代、
歴史観・・・・
などなど、どこを切っても興味深い。
読みながら、私は荻上チキさんの伴走をしている気分になりました。
なんで私は荻上チキさんに対してこんなに近しい感覚がするのだろう?
と思って、ふと著者紹介を読んだらなんと、同い年でした。
なるほどなー。
携帯電話が高校生くらいに出始めて・・・・
そういう中で、大人になっていった経緯。
ジェネレーションギャップが、この人と私はないんだな。
レインボープライドというパレード(LGBTをテーマにしたパレードです)に参加することが、
著者はとても好きだという記事がありました。
そして、今朝の新聞記事に、
性別は男性だけれど心は女性だというタクシー乗務員が、
その事情を知った上で雇用されたにもかかわらず
化粧を理由に乗務をすることを禁止されるというハラスメントを受け、
さらには給料が支払われなくなったという事例が裁判になったとありました。
裁判官はこの訴えに
「外見を女性に近づけ、女性として社会生活を送ることは
自然かつ当然の欲求だ」と言ったそうな。
つまり、訴えた側の主張が認められたということです。
拍手!!!!
こういうことが、当然の世の中になればいいと、強く思います。
差別って、根絶が難しいことがらなのかもしれませんけど、
これは、性差別にかかわらず、
また、今、ものすごい盛り上がりを見せている人種差別もそうですし、
やっぱり見過ごせないと感じます。
人として、やっぱり差別だけはゆるしがたいなと。
この、みらいめがねの本の中でも、差別についての見解がたびたび出てくるのですが、
「うんうん、そうだよなあ~」
と思わされることがたびたび書いてありました。
差別は、気を付けていないといつの間にか支配しに来るのです。
男性と女性とで、同じ職場でまったく同じ仕事をしているのに給料が違うとか、
**県出身者は**である、とかいうカテゴライズもそうですし、
そういうものが、いつの間にか忍び寄ってきたときに、
自分が自覚していないと、いつの間にか自分も差別する側に回ってしまう危険性があるということです。
シビアな話題に添えられた、ゆるゆるのヨシタケシンスケさんの画が、
これはこれは見事にマッチングして、
言ってみれば、青に染まりそうな文を、黄色でひっぱって緑にし、
赤に染まりそうな文を、青でひっぱって今度は紫に・・・・
というようなとてもいいあんばいになっていて、
ああ、こういうのを中庸って言うんだよね、とふわっとした気分にさせられました。
非常によい本です。
ぜひ、みなさんも手に取ってみてください。
Sちゃん、いい本紹介してくれてありがとう!