イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

短い夏休みの最終日

夏休みの最終日だった昨日。

母ちゃんは前夜に調子に乗って家で飲みすぎて、

気が付いたらちゃんとパジャマで布団の上に寝ていたけれど・・・・

あれ?いつ着替えた?

歯、磨いたっけ?

いや、いつ寝たっけ・・・?

(自分で着替えて布団に行ってたよ、と子どもたちに言われた・・・(笑))

立ち上がったらめまいが・・・・ハイ、二日酔いです。

いやあ、最近とみに酒に弱くなりました。

前はこんなことなかったんだけどな~~。

年ですかね。

 

時間差で起きてきた娘も

「頭がいたい」と。

こちらは二日酔いではないだろうからと思って検温したら37度。

ありゃま。

熱中症だとこわいので、午前中から冷房つけました。

 

そんなわけで、完全ステイホームの最終日は高校野球にくぎ付けでした。

第二試合は私が今回大ひいきの帯広農業と、群馬の常連校・健大高崎

強豪と呼ばれる相手を前にしてものびのびプレーする帯農の選手たち!

北海道から来たんだもの、暑いだろうな~と想像するけれど、

それでも、みんなのびのび楽しそうでした。

解説していたのが、横浜高校エース松坂を育てた元監督だったのですが、

そのかたが「自分たちの野球ができていますね。全員野球とはこういうことを言うんですね」

とコメントしていて、ほんとうにその通りだなと思いました。

そうなんだよねー。

私らの高校時代の監督もよく言っていたな。全員野球。

 

エースが、花形選手が、ホームランバッターの4番が・・・ではない野球。

でも、ここ一番で必ず、それぞれが、それぞれのやれることを100%やる。

そういうことなんですよね。

帯農の監督も「選手たちを信じて任せる」という指導方針だそうで、

その結果がプレーに如実に表れているなと感じながら私も見ていました。

高校野球ではカリスマ性のある監督のもとで、その監督を崇拝するようなチームが多いですが、

そういうものじゃない、全員が信頼の中でやりきる、

それが、結果的に悲願の甲子園初勝利を連れてきたのだなと感じました。

帯農の選手たちは、卒業後は全員が就職か就農で、

進学して野球を続ける子は皆無とのこと。

エースに代わり、継投でマウンドに上がった背番号9の彼は、

なんと8人兄弟だそうで、卒業後は実家の農業を継ぐのだと紹介されていました。

エースは俊敏で、主将でもあり、また、打席に立てば華のある選手で、

なるほど運動神経抜群だな!センスあるね!と誰もが見てわかるようなタイプ。

対してリリーフの背番号9の彼は言ってみれば、磨かれた変化球や、豪速球などという華々しいものとは無縁。

それでも、どの場面でも絶対に慌てない盤石さがありました。

焦りや、気負いをまったく出すことなく、

淡々と、目の前の相手に一球を繰り出して挑む背中に彼の器の大きさがうかがえました。

大舞台で、やりきりました!!こりゃ父ちゃん母ちゃん自慢の息子だよ!!

 

試合後に、インターネットのニュースで帯広農業のチームの紹介がされていたので何気なく読んだのですが、

春にセンバツがなくなった時点でチームは空中分解寸前となり、

野球を続けたいと言った3年生が、春の時点でチームの中でたった2人だったというのです。

続けたい、と言った3年生の一人は、私が先ほど書いた背番号9の彼だったそうです。

エースピッチャーであり、主将でもある主軸すらも、

「このまま引退する」と言ったというのですから読んでいて驚きました。

画面の中で見た彼からは想像できないなと思えたからです。

監督は、いったんそれぞれの意見を保留にし、

「終わり方は大事だよ」と言ってみんなに時間を与えたのだと記事に書いてありました。

その後、続けたいと言った選手2名が他の3年生を説得し、

また、監督もいつくかの選択肢を選手たちに提示して、

再び、チームは熱を取り戻して結束したのだそうです。

 

最後の夏。

いや、春からずっと、目標を奪われて悶々としてきたことでしょう。

この記事のことと、

画面の中で野球をしていた彼らと。

そのことを、しばらく考えていました。

 

折れた心を、元通りにする方法。

断たれた目標から、ふたたび一歩踏み出すということ。

それは、簡単にできることじゃない。

だけど、それをもしできたとしたら・・・

 

 

ただ、「勝ち」のためだけじゃなく、みんなみんながグラウンドに出てこの夏を迎えたのだと思います。

それは帯農に限ったことじゃなく、

どの学校の、どの選手たちも、そういう思いでいたのじゃないかな。

センスのある子、

センスとは無縁だけど、野球が好きで好きで仕方ない子、

人一倍努力しても、レギュラーになれなかった子・・・・

野球は、それを全部のみこんで、

それぞれの中で糧となって

みんなを未来につなげて行く。

 

甲子園交流試合も今日で終わりです。

 

”毎日、決勝戦のような熱い試合が続いております”

とアナウンサーが言っていたけれど、本当にその通りの熱戦続きでした。

来年は、無事開催されますように!!