ママ友Sちゃんがステイホーム期間中に「おもしろいよ」と紹介してくれた児童書、
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』。
本好きのSちゃんちの子たちが夢中になっているというので市内図書館で予約し、
学校がぽつぽつ始まったころにようやく借りられました。
借りてはきたけど子どもたち、最初は
「え~?文字ばっかだけど面白いの?」
なんつって、全然興味なし。
じゃあ、ためしに母ちゃんが声に出して読んであげよう。
と、1巻の最初の一話(すべて一話完結)を寝る前に読んであげたら・・・・
それから娘がどっぷりハマりました。
次に、長男がハマりました(笑)。
漢字が読めないのでちゅーたんは自力では無理だけど、
読み聞かせを聞くのは大好きです。
学校が始まり、学校図書館に行ったら8巻まで揃っていて、
しかも全部、貸し出し可。つまり誰も借りていない状態だったんだそうな。
長男によると、学校での”銭天堂”ブームはすでに去っているらしく、
その当時は予約いっぱいだったかもしれないけれど、
今は誰も読んでいないとのこと。
また、「サバイバルシリーズ」とブームが被っていたとのことで、
その当時、サバイバルシリーズばかり読んでいた長男と娘は、
銭天堂の存在に気が付いてなかったそうな。
そんなわけで、学校図書館でほぼ独占で借りられるので、
めっちゃ喜んでいます。
市内図書館は3巻までしかなかったのでありがたい!
そんなわけで、貪り読んでいる銭天堂。
どこか薄気味悪いような話が多く、
でも恐怖まではいかない、
とはいえ、どこか心の底がざらっとするような、
そんな教訓めいていて奇妙な話が多いです。
下手な道徳の教科書よりもずっとこういうもののほうが面白い。
娘も、読んでいて色々考えさせられるようです。
うちで最近、私がよく言ってるセリフは
「勉強しなくていいから本読め」です。
なんだか知らんが、今年度に入ってからみょうに学校の「自主学習」の押し付けがすごい。
自学の”予定”まで本人に立てさせて、何をやるかメニューまである。
それに対して、何分間学習に取り組めたか自分で把握せよ、
というファイルまであります。
しかも全学年です。
こんなに勉強させてどーすんだ。
「宿題の他にこんなのまでさせて、家で本読む時間ねえじゃねえか!」
とキレたのは子どもたちじゃなくて母ちゃん(笑)。
「読書も立派な自学だって連絡帳に書いてやるよ」
と言うと、
「まあまあ・・・」
と長男がなだめる(笑)。
そして長男が居間で難しそうな宿題していると
「頭良くなっちまったら、大学行かなきゃいけないじゃねえか。
うちにはそんなカネねえぞ~」
と酔っぱらった親父が笑いながらからむという。
勉強すんな、勉強すんな、と両親がしょっちゅう言うヘンな家庭(笑)。
今朝の毎日新聞朝刊に面白い記事が載っていました。
やる気レシピ:知的刺激のある環境を 行動遺伝学者・安藤寿康さん - 毎日新聞
これによると、両親からの遺伝はすべてが引き継がれるわけではなく、
両親それぞれの遺伝子の半分ずつが引き継がれるそう。
面白いのは、両親とも知能が高い場合、子どもも知能が高いと思いがちだけれど、
実は意外にもそういう場合は、世の中の平均値に近づくという特性があるようで、
両親が優秀でも、子どもはいわゆる「並」になるというのですね。
知能の遺伝は、5割なんだそうです。
じゃあ残り半分は何が影響するのかというと、「環境」だそうです。
知的刺激が多い環境だと、知能は伸びるんだそうな。
安藤さんいわく、
「子どもがそれぞれ持っている遺伝的素質は、子ども時代はふわっとしていて雲のようなもの」なんだそう。
それが、いろんな経験をして、12~20歳ころまでに形が見えてくる。
「大切なのは、何か心にひっかかったものに対して、適切な方向付をしてあげること」だそうな。
たとえば、縄文土器に特に心惹かれた場合、どんどんそこにのめりこむ場合がありますね。
それで、本で調べたりなんだり、そっから知識がひろがっていくわけです。
ただ、そこから一般的な入試となると、結局は縄文土器だけ詳しくても全然歯が立たなくて、
ぜんっぜん興味がない源平合戦時代のこととか、
江戸時代の改革の名前とか八幡製鉄所が何年に始まったとか正確に答えられないと点が取れない。
そうなると、縄文土器研究家になったかもしれない子は、
そこで結局、「歴史研究や~めた」となってしまうわけなんですね。
「心の中に芽生えたものがそこでついえてしまうのはもったいない」
とは安藤さんの弁。
まさに私も同感です。
好きなもの、好きなことを突き詰めたら、さいごはそれで飯が食えるかもしれないんです。
人間って結局、好きなことにしか夢中になれないですもんね。
父ちゃんと今朝、この記事について話をしていました。
学校はやっぱり、友達付き合いやコミュニケーションを学ぶところであって、
知識を詰め込むような場所ではないんだよ、と。
それをテストで測ったりして、結局、数値でしか見てやらなかったら、
中身が置き去りになっちゃう。
テストでいい点が取れる、というのは結局は要領の良さ、のみこみのスピードの速さ、
ということもあるわけだから、とも。
娘は理解スピードがゆっくりなので、テストを早く終わらせることはできませんが、
時間さえあればちゃんと解答できる。
子どもの特性を見つつ、方向性を見定めてやるのは、まわりの大人の責任のような気がします。
余談ですが、ちゅーたんがめっちゃ宿題嫌いで、
「なんで学校行かなくちゃいけないの!なんで勉強しなくちゃいけないの!!」
と毎日シャウトする日がこないだまで長く続いていたので、
母ちゃんも「う~~~ん」と一緒になって考えました。
それで、母ちゃんはよくよく、その答えを見つけました。
アレ?銭天堂から話題が外れてきた(笑)。
というわけでそれについては、また後日書くことにしましょう。