イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

新聞読み上げサービス

わが家は毎日新聞の小学生新聞をずっと購読しています。

長男は朝起きると、20分くらいぼーっとしながら、

パジャマのままガスストーブの前で丸くなって新聞読むのが日課

 

家にこもっている時間が長いので大人の新聞も読んでみたいな、とふと思った私。

まあ、毎日新聞でももちろんいいのですが、

一番近所にある郵便局で東京新聞をとっていて、

以前から、貯金窓口の待ち時間に東京新聞を読むのが楽しみでした。

テレビがないわが家、こんな世の中の時だし、新聞購読ってのもいいかなと。

その話を、何気なく中学時代の恩師G先生にしたら、

「こないだ、ポストに”東京新聞無料おためし”っていう広告ハガキが入っていたのよ。あなたにあげるわ。」

とキャンペーンハガキを一枚くださいました。

そんなわけでさっそく申し込んで、昨日から東京新聞の朝刊がわが家に届いています。

 

東京新聞、おもしろいほど政権批判がバンバン書いてあります。

ここまで書いたら良からぬ輩に刺されたりしないんだろうか?

と心配になるくらい。

でも、昔はどのテレビも新聞も政権批判は当然だったような気がします。

いつからこの国は黙らされちゃったんだろう?

紙面の中でアベノミクスがアベノマスクになって、

今度はアベノリスクとか言われるんじゃ?と風刺漫画に書いてあって吹き出しました。

 

さて。

新聞が変われば記事も変わる。当然だ。

私は国語辞典編纂者の飯間浩明さんという人が好きです。

小学生新聞に「日本語どんぶらこ」というコーナーがあり、

そこでは、日本語にまつわる語源や、雑学的なこと、

最近、新しい意味で使われだした言葉への個人的な所感など

飯間さんが色々書いています。

それを読むと、活字好きの私としては共感できるところも多く、

また、知らなかった語源などが面白くてためになります。

 

東京新聞に飯間さんが記事を書いているとは知らなかったのですが、

中ほどのページに「このことばクセモノ!」というコラムを発見。

おお~♪

昨日の内容は、こうです。

中日ドラゴンズの応援団が、選手の応援の時に「サウスポー」という曲に乗せて

”お前が打たなきゃ誰が打つ”と叫ぶのが恒例になっているようなのですが、

これが、「”お前”呼ばわりは選手に対して失礼なんじゃないか」

と球団側からクレームがついて、

応援団がその応援歌を自粛した、というもの。

それに触れながら、「お前」という言葉は失礼なのかそうでないのか

それを飯間さんが解説していました。

 

「お前」という言葉は、大昔は神様の”前”を表す言葉として使われていて、

正しくは「大前(おおまえ)」と言っていたんだそうです。

神事で祝詞をあげる際にも、大前、というセリフが出てくるのだとか。

たしかに、戦国時代の時代劇なんて見てると、殿様のこと「御前(おんまえ)」と呼んでいたりしますよね。それと似たような感じだったのかな。

けれど、時代が下がるにつれて江戸時代になると、

「お前」は同輩もしくは年下を呼ぶときの言葉になって、

目上の人には使わない言葉になったようです。

そこで飯間さんが言います。

日常的な場、たとえば職場で「コピーを取れ!」と言ったらパワハラっぽくなるし、

その場面では「**さん、コピーをとってもらえるかな」

と言うのが妥当。

でも、スポーツの応援で「高橋さん、ホームランを打っていただきたいのですが」

とは言わない。

「高橋!打て!!」と叫ぶのが応援ですよね、と。

つまり、「お前が打たなきゃ誰が打つ!」

と叫びながら応援するのは、選手へのリスペクト表現なので、

失礼になはならない、と。

ことばには「時と場合」という要素があります、と記事は結ばれていました。

 

この内容がとっても興味深かったので、夕飯後に

父ちゃんに「この記事読んだ?面白かったよ」

と言ったら「読んでねえ」との返答。

お酒も入っていて、夜に新聞なんて読む気ないなこの人、と思ったので、

この記事を父ちゃんの隣で、読み上げてあげました。

ふん、ふんと頷きながら聞いている父ちゃん(酔っ払い)。

読みながら、国語の教科書の音読みたいだな、と思えてきて、

笑いがこみ上げました。

あたしゃ、文字の読めないおじいさんに読み上げサービスしてるみたいじゃないか(笑)

結婚12年目。

男子ってのはいつまでも、”奥さんになにかしてもらう”のが好きだねえ。

 

さて、今朝も朝刊が届いております。

これからゆっくり読むとするか。