イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

なくしていいのか

昨日、長男が帰宅して早々

「おかあ!大変なことになった!!」と。

なんだなんだ?!

「学校で、今まで、伝統だったものがなくなることになった。

 なんだと思う?!」

は?!

「ヒント、運動会」

・・・・?紅白対抗リレー?

「ちがうんだよ、鼓笛隊がなくなることになった・・・・!」

え!!!!!!

 

長男は来年6年生。

運動会は5月なので、例年だと今くらいから練習が始まります。

担当の楽器決め、あとは現3年生にリコーダーでの校歌指導などなど。

 

鼓笛隊がなくなることについて、教務主任から現4・5年生に

じかに説明があったそうです。

理由はおおむね次のとおり

1、衣装が足りない(体格が良くなり、サイズの合わない子が多い)

2、運動会の日程が一週間早くるため充分な練習時間が確保できない

3、児童数も少なく、こんな規模ではやっても意味がない

4、鼓笛練習に使っていた時間を、他の競技の練習に振り替えることができる

5、鼓笛をやめる分、市音楽会の指導が充分にできる(音楽関係の練習が二つはきつい)

 

子どもたちとしては6年生になったら自分はどの楽器をやるかなど

胸に決めていた子もいて、どうしてもやりたいと食い下がった子もいたそうな。

でも、逆に暑い中で叱られながら練習しなくて済むという気持ちも正直なところ半分はある、との意見も。

市内小学校では、鼓笛隊が既に廃止されたところもあるそうで、

先生いわくこれらは「市が決めたこと」だからとのこと。

 

私は、衝撃でした。

もうあの、鼓笛マーチの校歌が聞けないの?

一度やめてしまったら、もう、復活することは難しいでしょう。

 

私は、遠方から地元に戻った年、

学校から流れてきた運動会練習の鼓笛マーチを不意に聞いて記憶の扉がばーんと開き、

懐かしさで胸がいっぱいになりました。

長男が小学校に入学した年の運動会で実際に目の前で鼓笛演奏を聞いて、

本当に感無量で、感涙しました。

地元に戻れて良かった、ここでうちの子どもたちも大きくなるんだな、と。

それこそ児童数も130人くらいで、

マーチングの規模は当時の5分の1、いや10分の1くらいだったけれど、

懐かしい音楽とともに、当時の練習のことや、

友達の顔や、先生のことなど、

次々に小学校時代のことを思い出しました。

 

大人にとって、思い出は宝物です。

その宝物は、当時を振り返れば、そんなものが思い出になるなんて、

思いもしなかったものばかり。

決して楽しいことばかりじゃなく、いやなことももちろんありました。

ただ、ほんとに、日常だったもの。

当たり前にあったもの。

図書館の本の匂いとか、

雪の日の校庭の真っ白さとか、

夏の日のプールサイドの暑かったこととか、

そういうもの・・・・

それが大人になってから、宝物になる。

 

先生方の、鼓笛を指導するご苦労を考えたら、

当然ながら私たち外野がガタガタ言える筋合いではないこともわかります。

でも、なくしていいものとは思えない。

連綿と続いてきて、子どもたちの耳の奥でこだまするような、

S小っ子だったら誰でも口ずさめるドラムマーチのリズムが、

ここの年代で途絶えるなんて。

学校は、学校だけのものなのかな?

地域のものでもあるんじゃないのかな?というのが私の今の正直な気持ちです。

あれだけ一生懸命廃品回収やって、衣装の数枚くらいどうにかなんないの?!

開会式で、来賓者へのくだらない”礼”の全体練習に何時間も使わないで、

鼓笛の練習したらいいじゃないの。

 

学校には、勉強より大事なものがあると思います。

学校が、どんどん、勉強するためだけの場所になっていってる気がする。

削れるところから削っちゃおう、という市のやり方に、憤りを感じます。

こんなに鼓笛隊にこだわる私はヘン?