こないだ、封筒書きで筆耕した代金をみ~んなつぎこんで、
「宮沢賢治のおはなし 全10巻」
買っちゃいました♪♪♪(画像は公式サイトからお借りしました)
定価11,000円が中古で6,780円!
私ね、小学生の頃から宮沢賢治が大好きなんですよ。
一度この全10巻セットを、パルシステム(生協)の本の紹介ページで見て以来
ものすごく気になっていて。
でも値段が値段なので手が出ず、
いつか買いたいと思って生協のページを切りぬいていて、
数カ月越し、やっと思い切って買えました!
宮沢賢治って堅いとか難しいとかいうイメージが強いですが、
これはほとんど1ページごとに絵がついていて絵本のよう。
しかも、現在絵本作家として活躍中のかたばかりが描いているので、
子どもにとってはなじみのある画風も多く、
めっちゃとっつきやすい様子。文字も大きい。
宮沢賢治の文章って、時代が古いのでわかりづらい箇所もあるんですが、
難しい言葉や言い回し、方言などには注釈がそのページについていて、
まさに「一年生から読める」との触れ込み通り、
低学年から読める本になっています。
いやあ。こんな宮沢賢治を待ってたよ!!
最近は毎日、寝る前に布団に入ってから1冊ずつ、
子どもたちを相手に読んであげています。
長いので、1冊を翌日に分けることも。
不思議なことに、宮沢賢治の作品は4歳~11歳までウケる。
それぞれの年齢に応じて、色々感ずるところがあるようです。
すごいな~。息の長い文学ってこういうものなんだ。
さすが100年以上も残っているわけだ。
人間以外の生きものとのやりとりが多く出てきますが、
それを取り巻く自然の書き方が圧巻。
雪がごうごうと降るシーンでは、本当に寒くなる気持ちがしてきます。
そこに翌日きらきらとお日様が上ってくるシーンでは、
宮沢賢治が太陽をどのくらい敬愛していたかが伝わってきます。
寒い地域ならではの、お日様に対する尊敬の念なのかな、などと感じます。
厳しくはげしい雪のことや、美しい星空、
短く清涼な夏の様子などなど、
いろいろな場面から、宮沢賢治の持っている世界観や、
それまで本人が生きてきた花巻の大自然が見えてきます。
うちの子の中で特に娘がいちばんこの本たちに好反応。
実のところ私も、娘を一番のターゲットにこの本を揃えたのです。
(もちろん、大きくなればちゅーたんもチビ太も読めるということを想定してますが)
娘は最近、読書の集中力がとてもすごい。
友達とも競って学校図書館の歴史人物本を読んでいるようで、
さらには学校で人気の"科学漫画サバイバルシリーズ”も予約し、むさぼり読んでいます。
なんだか色々物知りです。
長男はもともと本好きだったので大きくなって読書家なのもうなずけるのですが、
娘がこうなるとは思いもしませんでした。
そんな娘。
「宮沢賢治さんの本、めっちゃ好き。お手紙書きたい。」とな!
ファンレター?!!
「残念ながら宮沢賢治さんはもうとっくのとっくの昔に死んじゃってる人なんだよ、今から百年くらい前の時代の人だから」
と言ったらめっちゃくちゃ驚いていました。
今でも生きてる人だと思っていたんですね~。
1896年生まれとのことですから、百年よりもっと前か。
娘は、宮沢賢治の描く世界の、どんなところが好きなのかはまだうまく言えないようですが、
そこまで思ってくれるなら母ちゃん大枚はたいて買った甲斐があるというものです。
長男も、
「宮沢賢治って、”注文の多い料理店”しか知らなかったけど、他の話もいいね
つまんない道徳の教科書よりこっちのほうがよっぽどいいじゃん」
と。
激しく同感です。
大人の都合で編集した道徳の教科書なんてくそくらえ!
私自身も、子どもの頃に好きだった物語がいくつかあり、
でもあらすじもほとんど忘れている物語が多く、読んでいて新鮮です。
宮沢賢治の作品の根底にあるのは
ほんもののやさしさや、
状況によってまがったりしない誠実さ、
小さな正義感。
自分より小さな生きものに対する情け深さや、
欲に対するいましめ、などなど。
それでいて説教臭くないところがまたいい。
ちょっと、谷川俊太郎の詩に似ているかな、とも感じます。
大人になって改めて読んで、そんなふうに思いました。
子どもの頃は、さすがにそこまで感じられなかったけれど。
子どもたちも、そのあたりを子どもなりに察しているのかな・・・。
すごいな~宮沢賢治作品。
娘はまわりから誤解もたいそう受けやすいですが、とても繊細な感覚の持ち主なので
そのあたりは他のきょうだいよりも敏感に感じて受け取っているかもしれません。
宮沢賢治にお手紙書いたら、そのまま感想文になりそう。
夏休みまでとっといて宿題で提出しようか(笑)。