パートを始めて丸10カ月。
何もかもが新鮮だった頃とは違い、
知れば知るほど戸惑うことも多いのが事実。
ここ一カ月は、モヤモヤの多い勤務が続いていました。
対応の難しい子への寄り添い方や、
集団生活になじめない子などなど、
さすが新年度だけあって担任も変われば子どもも戸惑い、
いろいろなマイナス面が吹き出している感たっぷりでした。
それに対する向きあい方も、職員が10人いれば10人違うわけで、
当然ですが正解がない。
自分なりに模索する日々が続いていました。
どれもこれも、やむを得ないと思ってこらえた新年度~GW明け。
やっとバタバタ感がすっかり取れ始めたこのごろです。
私はもともとは1~2歳児の副担任なんですが、
今は日替わり弁当のように色んなクラスで仕事しています。
休みの先生の代わりにそこに入る感じです。
それで、集団で何かをするのが苦手な子に影武者のようにくっついて個別対応したりすることが多いのですが、
最初はやっぱり、その子との接触がそれまでほとんどなかったりしたのでほとんど手探り。
その子が能力的にどこまでできるのかも私にとってはわからない、
理解度がどのくらいなのかもわからない。
子どもからしたら、接したことのない先生が来たから、少々、
「この大人はどうなんだ?」と甘えながらためしている部分もある。
でも、週に1回くらいの割合で定期的にその子と向きあう機会があり、
約一時間にわたって一緒にアリンコを追いかけたり、
遊びの中でのトラブルの仲裁に入ったりしているうちに、
子どもの側でも
「ああ、この先生はこれをすると叱る」
「この先生はこれは許してくれる」
ということを敏感に察知するようで、
お互いにぐっと距離が近くなりました。
私は色んなクラスに入りますが、
どの年齢の子に対しても一貫して思っていることがあります。
それは
「大人にとってのいい子を求めない」
ということです。
これは私自身の尺度なので、それが正解というわけでもないでしょう。
集団生活では、やっぱり「折り紙しましょう」と言ったらすぐに席についてくれる子のほうが助かるし、
「トイレにいきましょう」と声をかけたら、すんなり全員がトイレに行ってくれたほうが絶対的にやりやすい。
でも、
「え~折り紙きらいだよ~~~」
とゴネたり
「今、おしっこでないよ~~~!!」
と廊下でひっくり返ったりしている子も、
それはそれで本人が悪いわけじゃない。
自分なりの理由がある時点でめっちゃいいなと私は思うのです。
ただ、それではクラスがまとまらないという点もあり、
あくまで保育園は集団生活ですから
”言うことをきかせる”
という大人の発想も少しは必要な場面も・・・・
ここの部分が私にはいつも葛藤であります。
さて、先述のアリンコの彼。
いつも、私の名前を覚えてくれず、
廊下で会っても
「あ、昨日の先生」
と言うので
「コラ~!先生は”昨日の先生”って名前じゃないぞ~!」
と言ってぎゅうぎゅう抱きしめて、
私の名前をたびたび教え込んでいたのでした。
どうも、人の名前を覚えることが苦手のようです。
それで、昨日そのクラスに入り彼に会ったら朝一番、
私のところに来てくれ
「****先生♪」
と呼んでくれました・・・!これにはうれしさで胸がいっぱいに。
さらに、給食を隣で食べているときに
「俺ね~あのね~、****先生のことが、なんっか好きなんだよね~」
とはにかみながら言ってくれ、
私は嬉しさで心がひたひたになりました。
いろんな葛藤も、モヤモヤも、その一言で吹き飛んでしまいました。
以前、まだ30代で10年保育士をやっているという先生と突っ込んで話した時に、
「10年続けられるってスゴイですよね。やめたいと思ったことないですか?」
と私が質問したら
「そりゃ何度もありますよ~。でも、子どもたちがカワイイから続けてこられって感じかな~」
と答えてくれ、
ほほう、そういうもんなんだな、と思ったのです。
昨日、子どものほうからおべっかでなく「先生が好き」
と言ってもらえた時に、その先生の気持ちがわかった気がしました。
ああきっと、長く保育士を続けている先生たちは、
きっと子どもたちからのこの気持ちを受け取りながら、
良い時も悪い時も、
泣いてやめたくなるときも、
乗り越えてきているんだろうなきっと、と。
相手に伝わっているのか、伝わっていないのか、
はたまた私自分の、子どもへの関わり方が正解なのか間違っているのか、
当然ながら正解がないのが人と向きあう仕事なわけですが、
その奥深さに戸惑いも大きく感じながら、
それでも、やっぱり真摯な態度は伝わっている、
と手ごたえを感じた昨日でした。