今夏、課題図書になっていた『こんぴら狗(いぬ)』という本をご存知ですか。
長男が、1月にこの本を学校図書館で借りてきました。
以下、商品紹介によるあらすじを簡単に転記します↓
犬が一匹で、江戸から讃岐の金毘羅さんまでお参りに!?
江戸時代、伊勢参りや金毘羅参りは庶民の憧れ。でも自分はなかなか旅には出られないから、代わりに飼っている犬にお参りに行かせる。そんな、今では信じられないユニークな風習がありました。
本作はその「こんぴら狗」を題材に描かれました。
主人公は雑種犬のムツキ。捨てられ、弱りはてていたところを拾ってくれたのが、飼い主の弥生。でも、今度は弥生が病気でふせってしまいます。
弥生の治癒祈願のため、ムツキは「こんぴら狗」として、江戸から金毘羅参りに向かうことになります。
波乱に満ちたムツキの旅と、道中での出会いと別れ。ムツキの旅を応援し、ムツキの金毘羅参りにささやかな祈りを託す人々の温かさを描き出します。
3年にわたる取材を経て書きあげられた、こだわりの本格歴史犬小説をぜひお楽しみください。
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長男が「これ面白いよ」と言うので私もいっしょに読み始め、
ちょうど私はちゅーたんのインフルエンザと重なり、
家にこもりっきりだったのですぐに読破。
犬が主人公なので、犬好きの私にはたまらなく、
その、犬の賢さにおどろいたり、また、境遇に同情したり。
当然ながら飼い主の気持ちもわかるわけで、
読みながらいろんな登場人物の気持ちを味わいました。
3年にわたる取材とのことですが、
本当に歴史的考証も相当になされていて、
児童文学をすでに超えている内容で、大人もかなり楽しめました。
長男は、借りてすぐ途中まで読んだものの返却期限になってしまい、
そのまま読み切れずじまい。
私は自分が読んでみてとても良い本だったので、
ぜひ家においておきたいと思い、新品を購入。
犬好きの母にも薦め、母も「とってもよかった!」と言ったのでヤッパリネとほくそ笑みました。
しばらく本棚の飾りになっていたのですが、
長男がふとその存在を思い出し、読みだしたのが3日前。
「330ページあるからつまり、一日に110ページ読めば終わるか」
となぜかそんな単純計算で読み始まった彼。
布団に入ったあと、自分専用の灯りを枕元に持ち込んで、
熱心に読んでいました。
ほんとうは、「目が悪くなるからそんな読み方はよしたほうがいいよ」
という言葉がのどまで出かかったのですが、
じっさい、私も眠れない夜に同じやり方で本を読んでいるため、
それを知っている長男には「お母さんだってやってるじゃん」と言われるに決まってるだろうな~
しかも「寝る前に読まなかったらいつ読むんだよ」
「本読めっていつも言ってるのに、読んでても文句言うわけ?」
などなど長男に言い返されるセリフが、言われる前に一瞬で脳裏をよぎったので、
言うのを一切やめました(笑)
(最近、中途半端に大人になり、売り言葉に買い言葉みたいになる。成長の証でもありますな。お互い、ほどよく距離があるのが一番です、はい。)
それで、驚いたことにほんとに3日で読み切ってしまったのです。
とても面白かったらしく、
「面白かったわ」
と言っていました。
犬好きにはたまらないよね、と二人で感想を交換し合ったのでした。
うちの子たちは大五郎がうちに来て以来、よその犬を見ても
「あ!犬だ!かわいい!」
と反応するようになり、
そういう様子を見ていると
「ああ、大五郎がうちに来てくれてよかったなあ~」
といつも思うのであります。
娘は、以前はそうでもなかったのですが今は率先して世話をしてくれるようになり、
夕方のえさやりはほぼ毎日、
それから、日が暮れて気温が下がってから、自分で気が付いて玄関内にあるケージの上に必ずしっかりと毛布をかけてくれます。
「だいちゃん、毛布かけるね」「おやすみ」
などと声をかけている様子にはほっこりさせられます。
いつも、荒っぽいことばかりやっている娘なので、そういう一面を見ると親としては正直ホッとしたりもします。
いきものを飼うって、実際には大変は大変ですが、
やっぱり、人間の暮らしにとっても、ありがたいことなんだよな~と思わされます。
犬って、かわいいです。
犬好きの方、「こんぴら狗」ぜひご一読を♪