イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

ひとつの事柄でも、感じ方は人それぞれ

長男が

「学校で6年生と野球ごっこしてたらさ、

 おまえ、いい球投げるなあ!! 俺のチームに来いよ

 って言われたんだよぉ~♪」

と言いました。

へえ~自主練しているだけあるじゃん。

 

すると、隣にいた父さんが

「なあ、テニスと野球どっちが好きなんだよ

 それはテニスをやめたいっていう話なのか?」

となにか不満そうにすかさず口を開きました。

一瞬にして雰囲気は気まずい感じに。

長男は一瞬で下を向いてしまい、私はこれはいかん、と思い、

「そんなことは一言も言ってないよ?

 だた、K(長男)は、上級生にほめられたのが嬉しかったんだよね?」

とすかさずフォロー。

「いや、俺にはテニスに不満があって野球に行きたいっていうふうに聞こえた。」

と譲らない父ちゃん。

長男は、自分が発した言葉が思いもしない展開になってしまったので、

耐えられなくなってトイレに逃げてしまいました。

 

私と長男の思考回路はだいぶ似ているので、

長男の思っていることはなんとなくわかりました。

とくに、深い意味なんてないのです。

上手いなって声をかけられたのが嬉しかった、

それを言いたかったのではないかと。

それ以上の意味はなかったと思うのです。

でも、父ちゃんは機嫌が悪くなってしまった・・・

なんで「おまえテニス辞めるのか」って話になっちゃったんだろう・・・・

ちがうんだよ、ぜんぜんちがう

そんな気持ちだったんじゃないかな、と想像しました。

 

トイレの扉に

「大丈夫だよ、あなたの話は、テニスが嫌いとかそういう話じゃなかったってお母さんは聞いていたよ。」

と声をかけてほうっておいたら、

そのうち出てきました。

こんなときになんですが・・・、

なんか、すっごく大五郎と似ているんですけどうちの長男(笑)

小屋の奥に入ってしまって、出てこないあの子とそっくり、と吹き出しそうになりました。

 

父ちゃんに、

「もう、さっきの話題は言わないほうがいいんじゃない?

 べつに野球やるためにテニスを辞めるなんて、

 誰も一言も言っていないよ。」

と言ったら、

「野球チームに入ったら、テニスはもういいやってなって、

 でも結局やっぱテニスのほうが良かったなんつって戻ったって、

 そうなったらどっちのチームにも相手にしてもらえないんだよ。

 そういうこともじゅうぶんあり得るだろ。俺はそういうことを言ってんだよ」

うーん。

そこまで話が父ちゃんの中だけでは飛躍してたのね。

 

私はまったく別の感じ方をしていました。

野球の練習というのを見たことのない長男は、

小学生の野球がどのくらいのもんなのか、

見てみたいと思ったのでしょう。

純粋な好奇心でそう思っただけじゃないのかな、と。

それから、私は長男を見ていて思うことがありました。

テニスの練習日に、今までただの一度も「行きたくない」と言ったことがないのです。

4年生になってからは、真夏だって自分で自転車で往復し、

重たい水筒も担いで行くのです。

もし、嫌いだったらそんなことできません。

嬉々として土曜日出かけて行く様子を知っているから、

そして、帰宅したあとの表情を知っているから、

長男がテニスに不満があるなんて思っていないことは私にはよくわかります。

それに、今までこんなに努力して数年かけて積んできたものを、

平気でフイにするようなのんきな子でないこともよく知っています。

 

こうして書いていると、父ちゃんがちょっと悪者のようですが(笑)、

でも、父ちゃんには父ちゃんの思いがあって、

「始めたからには、ひとつをやり抜いてほしい。

 二兎追うものは一兎も得ず」

というこれまた純粋な親心なのです。きっと。

ひとつをやり抜けないような子になってほしくない、

あっちにもこっちにも手を出して、

結局なんにも残らなかった、というのを避けたい、

ということなのでしょう。

その気持ちは、わかる。

でも、まだ野球チームに入りたいなんてことも、本人から一言も言われてないんですけど・・・・・(笑)先回りしすぎでしょ。

父ちゃんは自分がテニスの経験者だったので、

テニスに関してもっと色々長男にこれから身につけて欲しいスキルもおおいにあって、

ここで辞めるんじゃねえ、続けろ、という気持ちも強いようです。

 

まあ、いろいろ話は混雑しましたが、

私がただひとつ思ったのは、

「たった一つの発言でも、感じ方はそれぞれなんだなあ~~」

ということでした。

おなじ一つのものでも、見方はそれぞれ。

相手も同じように感じているだろうなんてのは、

思い込みだなと。

だから、詳しく長男に昨日は聞けずじまいでしたが、

長男の一言も気持ちも、決して私が想像した通りではないと思うのです。

 

でも、ただひとつそっくり当たっていたことがありました。

トイレにこもった長男を、大五郎に似ている!と直感的に思ったのですが、

本人もそれをふりかえって「おれ、大五郎にそっくり・・・」

と言ったこと(笑)

これには笑いました。