親子3人で名作『タッチ』を読破しました。
「ルールがわかんねえよ~~~」
と言いながら読み進めていた長男でしたが、
「・・・でも、内容がおもしろいからいい。でもツーアウトってなんだ?」
と自分で自分に答えていましたっけ。
テニスしかやったことない長男は、
攻守交代の意味が理解できないようです。
「バッター以外は、全員敵なのか?!」
と驚いていました。
たしかに、野球はルールが複雑ですね。
私も、マネージャーになったものの実は一切ルールがわからず、
入部して一番最初の試合に付いていったときに、
球場のスタンドでじーっと試合進行を見ていて、
”アウトは3つまでで攻守交代、ストライクは2個、ボール球は3個まで投げられる”、ということを知ったのでした。
守備を番号で表すこと、
打順にも意味があること、
試合をまるごと一個全部見て、ようやく基本を理解したのです。
さらにはファールとフェア、
犠牲フライ、タッチアップ、ホームスチール、などけっこう難しい要素が細々ありますね。
ルールがわからない長男の気持ちはよ~くわかります。
さて、つくづく思うのは、
「名作たるものは、時代によって色褪せない」
ということ。
さらに大人になって読むと、登場人物の一言一言の重みが違うということ。
高校生当時は達也や南ちゃんのほうの気持ちに年代的に近かったので、
青春まっただ中の二人の気持ちのほうがよくわかりましたが、
今回読んでみて、あの鬼監督の気持ちが痛いほどわかったのでした。
父ちゃんもこれは同じで
「おれは、柏葉英二郎がいちばんよかったな」
と。
その時の自分の年齢によって、
違う角度から味わえる。
名作はやっぱり名作だなとしみじみ思ったのでした。
ところで長男は
「おれ、野球もやってみてもいいかな~」
とぽつりと言ったので、
「やってもいいよ~」
と私は返事しましたが、
「でもおれ、足が速くないからなー・・・」
と言っていました。
「足が速くない人は、守備で要になればいいんだよ。
度胸の問題で、きみは投手は向いてないけど、
性格的には粘り強く諦めない良さと、
チームワークを大事にするキャプテン向きの要素があるから、
まあ、キャッチャーか、ファースト向きかな。」
と私が答えたら
「やめとけやめとけ、チームプレーなんて大変なだけだぜ。
変な奴もいるしよお。」
と父ちゃんから横槍が入りました(笑)
「あ、そうそう、こういうタイプがいるのが一番やりづらいパターンね」
と私が言うと、
「ぬお!」
と父ちゃんは息巻いていました。
スポーツには、スポーツにしか味わえない世界があると思います。
文化畑の私は、それを味わいたくて野球部のマネージャーになったのでした。
今さらながら、グラウンドの空気感を懐かしく思い出したのでした。