イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

あたらしいトビラ

昨日、面接に行った保育園。

私より15歳くらい年上の、やさしそうな園長先生と、

園長先生の奥さまである主任先生がかわるがわる履歴書をのぞきこみ、

「ずいぶん、いろんなことなさってきましたねえ~」

と好意的に興味を持って下さり、

「あ!放送大学!実は私も何度も資料を取り寄せては踏ん切りがつかなくて~

 よく飛び込んだね~!心理学ってやっぱり面白いの?」

農業大学校ってどんなことやるの?」

などと大盛り上がり。

あ~、こんな支離滅裂な履歴書を、面白がってくれるなんて!!

「あ、短大は卒業していないんですね~。まあ、色々ご事情もあったのでしょうね」

お~やっぱりきた!

でも不思議と、本音がすらり。

「今思うと、目標を見失ってしまったんです。情けない限りですが・・・。」

と正直に言ったら、

園長先生はニコニコしながら私の目をみつめうなづいてくれました。

ああ、この人はすごい。器が大きい、とその時に直感しました。

私が続けて、

「若い時に中途半端にしてしまったことに、負い目をずっと感じていて。

 その気持ちに折り合いをつけたくて、子どもが生まれてから、独学で試験を受けて、資格を取りました。」

と話すと園長先生は

「試験も、1度や2度では受からないほど難しいと聞きますからね。よく、達成なさったね。」

と微笑んでくださいました。

「自分に子どもが産まれていたからこそ、がんばれたのだと思います。」

と私が答えたら、

嬉しそうに頷いて下さいました。

それから、うちの子どもの話などいろいろしましたが、

とくに、娘のいつもの大暴れの話題を披露したら大ウケ。

「きょうだいに挟まれてる子は強いのよね~」、とは園長先生の奥さまの弁。

やっぱりそうなのね。

園長先生のおうちも、お子さんが4人いるそうで、

子どもの話題で盛り上がりました。

 

私は、キリスト教信者さんというのは、身近にまったくいません。

ですから、園長先生夫妻の人柄に触れ、やさしさと、まっすぐに人の目を見る姿勢に驚きとともに感動もしました。

瞳の力が強く、話しながらまっすぐに見つめられ、その目を見つめ返すと、自分がまるきり映し出されているような気分にさせられました。

この方たちは、ほんとうに、生き方そのものが深くて、ブレないのだろう、

そのブレない根っこの理由がつまり信仰だとしても、それはすでに「人格」としてだな、そう思えたのです。

ちなみに私には外国人の友人もいて、彼らはキリスト教かもしれませんが、

あまり信仰に熱心な人たちではありません。

私たちが、神社に行って、神道の信者でもないのに手を叩いて拝むのと同じようなものです。

さらにイスラム教信者の友人もいますが、

その友人だって、とくにいっしょうけんめい決まった時刻で祈ることもなく、

イスラムは日に何度も祈るんじゃないの?とたずねたら

「カミサマは、いつもいっしょですからダイジョブ」

とゆるやかなもんでした。

イスラム教はお酒もだめですが、

「ときどき、のみます。」とも。

いつもいっしょのカミサマに見られてるじゃんか!(笑)

そう振り返ると、カミサマを信じるのは、形だけじゃない、

生きることに悩んだ時に、自分を見つめたときにカミサマ的な考え方が、

顔を出すってことなんじゃないかな、と振り返ってみて思いました。

少し話はズレれますが、京都に住んでいるときに、

シュタイナー教育を取り入れている幼稚園があり、

そこの雰囲気がとても好きでよく園庭あそびに出かけていました。

そこも今思うとゆるくキリスト教で、

食事の前はちょっとお祈りとかあったような?

目の前にいる園長先生が誰かに似ていると思って話していたら、

そこの、シュタイナーの幼稚園の園長先生と雰囲気がそっくりでした。

ああ不思議。

 

「給食の前や行事などで、ときどきキリスト教の歌をうたいます。

 園での生活で宗教色は全面ではないですが、やはり、人によっては色々なお考えがある。

働いてみて”やっぱりワタシ、神様は無理です”、と言って退職される方も時々はいますので、一応、その点だけ了解していただけたら。

そして、もし宗教的な部分を受け入れることができなくても、それは一人一人の気持ちですから、強制することはありません。」

と園長先生。

「ご信仰を持ったかたにこんなことを言ったら失礼かもしれませんが、わたしは無宗教者です。

 もし、働いていく中でその宗教的な部分にふれてみて、それが自分の意見や信条とは異なっていたとき、

 よい内容の部分は納得し、そうでないと思えば受け流す、そういう気持ちで接していくと思います。」

と正直に自分の考えを話しました。

 

深い話になったり、面白い話になったりしながら、

なんと30分以上も面接。

家業の造園の話も詳しくして、

兼業で勤務させていただきたいとのことも了解を得られ、先方から

「あなたがここの園で働きたい、と思って下さっているなら、

 私どもは来ていただきたいと思うのですけれど」

と言われたときは一瞬なんのことかよくのみこめず、

「いやいや園長先生、今のお返事でなく、数日お考えになって後日連絡くださるというのでかまいませんから!」

と、相手の即答を止める私(笑)

いつも庭のお客さんとやっているやり取りですよこれじゃ。

お客さんの家に見積もりなど持って行ったりしたときは

「今のお返事でなくて、ゆっくりお考えください。後日お電話ください。」と言ってゴリ押しせずに帰宅するのですよ。

人間って、そのとき決めたことに迷いが出ることってよくあるじゃないですか。

ま、「気が変わる」というやつですよね。

 

園長先生ご夫妻は私の慌てる様子に笑いながら、

「いえ、よろしかったら、来月からでも。」

とニコニコ。

保育士のトビラ、ば~んと開きました。

 

緊張で寝不足の私に、

『いつもどおり、おばちゃん全開でいけば大丈夫!』

と面接の朝、励ましてくれた友人Kちゃん!!

ありがとう!!おばちゃんキャラ丸出しの面接、うまくいったよ!!