子どもたちが通っている小学校で、
文化庁によるバレエ鑑賞なる催しがありました。
学校単位で文化庁に応募していたものが抽選で当たったとかで、
どうも一流どころが来るらしい。
学校から、保護者もどうぞ地域の方もどうぞ、
どなたでもどうぞという回覧板まで町内会で回ったのでした。
せっかくだしバレエなんて見たことないから行ってみよう、ということになり、
私も母と見てきたのでした。
さっき書いたとおり、私はバレエというのは見たことがありませんでした。
なんとなく高級で、なんとなく上品で、
私の住んでいる世界とは違うもの・・・・縁遠いもの・・・・
くらいに思っていたんですよ。
昨日は、バレエのレクチャーが第一部、
「シンデレラ」の上演が第二部という形式でした。
レクチャーでは子どもたちが楽しめるように子どもも登壇させてもらったりして、
本物の男性ダンサーに一年生の女の子が持ち上げてもらったり、
はたまた5,6年生が踊ったり、
先生が抜き打ちで登壇させられたりと楽しい内容でした。
バレエはつま先で立ったり、ジャンプしたりするけれど、
それは、高い場所から獲物をとらえるヨーロッパの狩猟民族が起源だから、
という説明がありました。
それから、バレエは言葉も歌も使わないで、手振りで伝える踊りなんです、
その手振りは「マイム」と呼ばれますなどという解説があり、
大人も目からウロコでした。
いやはや、子どもって本当に反応が良くて、
面白いときはきゃあきゃあ言って喜び、
ダンサーが華麗にジャンプすると歓声をあげ、
私はそれを後方席で見ながら
「子どもはこうでなくちゃね~」と思っていたのでした。
しずかにしなさいとか、
座っていなさいとか言われなくても、
子どもは面白ければちゃんと見るんですよ。
その証拠に、
第二部の上演がはじまってからは、先生方が何も言わなくてもちゃんと座って静かにし、
身じろぎせずに舞台に見入っていました。
ちなみに、大人も100人ほど会場にいたのですが、
華麗なダンスと舞台芸術にすっかりのみこまれた感たっぷりで、
間近で見るバレエにみんなが夢を見させてもらっている雰囲気でした。
私は、ダンサーもさることながら舞台芸術や照明に感動していました。
美しい色の背景にうつるダンサーの影が、
実際に踊る人よりも美しく、
影がこんなに美しいなんてと見とれました。
バレエは音楽とダンスのみで、
歌や言葉が入らない。
無言の中で、からだじゅうを使って表現する。
これは動く詩なんだね、と。
音楽や絵画というのは身近でしたが、
初めてバレエにふれ、
舞台というのも、いいものだなあ~と感動しました。
それもこれも、来て下さったのが一流の方たちだったからなのですよね。
やっぱり一流というのは、すごいです。
老若男女を圧倒し、子どもから大人まですっかり魅了しましたから。
学校からの帰り途、いつもどおりの田んぼの横を娘と歩きながら、
ああ、農村に吹きわたるヨーロッパの風だったな・・・
と、ミスマッチにくすっと笑えたのでした。
私の隣に座っていた長男のクラスのママさんが
「スリッパとジャージで、タダで見られるバレエなんてないよ」
とコメントしたのを思い出して、また笑えたのでした。
こんな辺鄙で小さな小学校に来て下さった劇団員のみなさんに、心から感謝。
子どもたちにすばらしいものを見せてくれてありがとうございました。