その昔「心理カウンセラー」に憧れたことがあります。
そんなこと思ったなんてことすらずっと忘れていたけれど、
今、放送大学で心理と教育コースを選択しているのは、
その気持ちのかけらが埋まっていたからかも?などと思ったり。
今となっては、カウンセラーなどというスゴイ仕事は、
自分には無理だと痛感します。
聞くこと、耳を傾けること、
自分の感情を一切はさまないでそれができますか、
と問われたら、答えはNO。
私は修行が足りないですね~。
おばちゃん根性丸出しで、暑苦しいアドバイスしちゃいそうで、むりむり。
お悩み相談だったらはるかに適正がありそうですけれどねえ。
話はカウンセラーに戻りますが、
放送大学の科目で心理学入門の科目を取っています。
ラジオの講義なのですが、
学校カウンセラー、
医療従事の臨床心理士、
実際にカウンセラーとして活躍している人が次々にラジオに出演し、
いろいろなことを話してくれます。
現場での守秘義務の関係から、
実際の内容については話せないことも多々ある様子ですが、
話せる範囲で、いろいろな話を聞かせてくれ、
感動する場面多々。
先日は、学校カウンセラーさんの話で、
不登校だった小学生の男の子のことが語られていました。
自分の怒りは心の葛藤だったと気がつき、向き合うことができるようになって、
周囲に支えられて少しずつ前に進む姿に感動。
お母さんがやっと息子の心の内側に気付く様子、
それを数年越しで見守ったカウンセラーの先生の偉大さ・・・などなど
とても胸を打たれました。
そのカウンセラーさんは箱庭療法を得意としているそうなんですが、
箱庭に使う道具も手づくりしたりしているそうです。
静かなる情熱にほんと、頭が下がる思いがしました。
この教科はラジオなんですが、何人かのカウンセラーが
入れ替わり立ち替わり出てきます。
だいたい2名で登場して話しを進めながら講義が展開していくという内容なんですが、
カウンセラーさんという人たちに共通している雰囲気があって、
それは、話し声が穏やかで、聞き取りやすく、相手の話しに相槌をうつのがとてもうまい、ということ。
これはおそらく、職業的に身に付けたことなのでしょうね。
余談ですが、私と子どもがかかりつけている漢方の開業医のK先生も、
内科・アレルギー科のほかに心療内科の診療科目も持っているのですが(今は継続治療のみで新規ではみてもらえないそう)、
このK先生もとても聞き上手。
風邪だろうが腹痛だろうが、病状のうったえを聞くのがとても丁寧で、
声がおだやかで、私は先生の顔を見ると治ったような気さえしてきます。
心療科系の仕事をなさっている方々は、
丁寧に相手と向き合うことが要求されるために、
そういった雰囲気に、だんだんとなっていくのかもしれませんね。
昨日の講義で面白いことを言っていました。
人が大人になっていく過程で日本と欧米とで確実に違う点があるんだそうです。
欧米では自己を確立し個人の自分を固めていくことで大人として生活していくそうなんですが、
日本人は「自己を確立するもののそれを内側に隠しこみ、他人に和していく」というかなり複雑な構造でもって大人になっていくということでした。
たしかに。
ホンネとタテマエを使い分ける文化・・・
思ったことをすぐに口にする大人はちょっと煙たがられますね。
カウンセラーなどというそんな崇高な場所に自分は到底およばないと思いながらも、
心理学を勉強すればするほど、面白いもんだなー、奥が深いなーと
人間についていろいろ知らされる思いでいます。
日本語を分解する授業もとっているけど、
心理学のほうは、さしずめ人間の心の構造をパーツごとに見せてもらっているような気分。
次学期は心理学関連で何を取ろうか楽しみです。