イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

茶の間劇場

以前、矢口史靖監督の映画が好きだと書いたら、

友人のFちゃんから『「WOODJOB!」がめっちゃ面白いよ』、

と教えてもらいました。

見るしかないでしょ~。

というわけで、昨晩は夕飯のあと恒例の茶の間劇場。

ごはんと風呂をさっと済ませて、

みんなでテレビ前に集合。

 

このお話は、

高校卒業した冴えない男の子が大学受験にも失敗し、

思い付きで林業の研修生に応募したら、

携帯も通じない、お店もない、

電車も6時間に1本しかないような山奥に行くことになり、

しかも、ものすごく荒っぽい先輩のもとで修行することになって・・・・

まさに汗と涙の青春コメディーという内容です。

 

毎度思うのですが、

矢口史靖監督は冴えない若者を描くのがものすごく上手です。

どこにでもいそうなズッコケな子が、

転びながらもひとつずつ階段をのぼって、

それまではつかむことのできなかった自分の心の芯をぐっととらえて、

ひとつのことに夢中になっていく。

ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ

もそうでしたが、

すでに大人になった私や父ちゃん、

まだまだこれから大きくなる子どもたちにも

世代を問わず楽しめるのは

矢口監督が笑いを提供するのが上手だからでしょうね。

単に、若者の成長物語として感動させるだけじゃ、私は見たいとは思わないけど、

大爆笑の要素を惜しみなく盛りこんでいるところが大好きです。

 

それにしても、

先輩役の伊藤英明が最高に面白かったです。

ザ・職人という感じですぐ怒鳴って気が短くて、

頭は悪いが体だけは頑丈、

さらにものすごくスケベな役どころで、

過去の「海猿」で命懸けの海上保安官役を演じていた姿とのギャップに

父ちゃんと私で大爆笑。

大学の寮で毎週、寮のルームメイトたちと並んで「海猿」のドラマ楽しみにしていたっけなあ~。

伊藤英明海上保安官以来のマッチョなのか、

ふんどし一丁で祭りに参加するシーンで、

オイルでも塗っているのやら、やたらと黒光りする肩と胸板に父ちゃんと私で爆笑!

父ちゃんいわく「職人の日焼けっつったらよ、顔は真っ黒でも脱いだらみんな色白だったりすんだぜ(笑)全身日焼けで黒いなんてありえねえ~」

と笑っていました。

 

映画見ていて思いましたね。

ひどすぎる先輩と、冴えなすぎる舎弟の関係性は、

父ちゃんが経験してきたものにたぶん相当近いだろうと。

父ちゃん、食い入るように見てました。

そして、私は思ってました。伊藤英明の短気な役どころは、

ほとんど現在の父ちゃんにソックリだと(笑)。

 

口が悪くて、荒っぽくて、

私もホントに父ちゃんには頭に来ることが多いけど、

どうも私は、この手の「ザ・職人キャラクター」は嫌いではないんだなあ、

むしろ、好きだなあ~

あ、そういえば『バケモノの子』でも、

荒くれ者の熊徹が好きだっけ・・・

と映画を見ていて気がついてしまったのでした。

 

話は変わりますが、八ヶ岳にいた頃に、

父ちゃんは林業にあこがれたことがあります。

植木屋の修行で行き詰まることがたびたびあり、

そのたびに「**林業(会社名)なら、もう少し待遇がいいだろうか・・・」

とよく言っていました。

林業は、命懸けだよ。それに、どこの会社もいっしょだって」、

といつも言ってなだめていましたが、

林業はやっぱり父ちゃんは心のどこかで惹かれるものがあるらしく、

映画をみたあとは「林業ってやっぱいいよな」

というようなことを言っていました。

ま、やっていることは造園業の現在もほとんど変わらないですが。

伐採の方法なんかは、映画とおなじでした。

 

なんにしても、映画も音楽も本も、

ほんとに頭が下がるくらい、

私たちの心になにかもたらしてくれるものなんだな、

と感じます。

こういうものを作りだせる人を、心の底から尊敬します。

 

矢口監督、また新しい映画つくってほしいな。