イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

忍耐と修行の道場入門

チビ太1歳4カ月。

台所を引き出しをあけて階段にし、

のぼったあとはパラダイス。

手の届かない場所にあるはずのミカンを手にしていることしばしば。

悪知恵と、運動能力のたまものです。

お友達が大好きすぎて、間合いを詰めてにじり寄ったあと噛みつき、

そばに寄るだけで泣かれる始末。

遊んであげているつもりで赤ちゃんを泣かせることしばしば。

ああチビ太よ、母ちゃんはサルを産んだつもりはなかったんだけどなあ・・・

と、赤ちゃんの頃の面影の残る寝顔を見つめるこの数日。

 

ふと、”お会いしたい”と思っていた方に会うキッカケができました。

私の中学時代の恩師の教え子さんで、保育を専門にしている方です。

保育所を開所当時から、お話をうかがっていて、

恩師と会うとたびたびお名前も聞いていました。

ふと、まったく別の場所でも同じかたのお名前を聞き、

また、別の場所でも・・・・

この数カ月で、何度も同じかたのお名前を聞くので、

こりゃもう、お会いするしかないな~

と思っていたところに、

「今日、**さんが家に来たのよ、それでね、すみれちゃんのことを話したの。

 いつでもいらしてくださいって、先方が言ってたわよ。その気になったら私から電話してあげるから、声をかけてください」

と恩師からメールが届きました。

あれー!

と思い、すぐに翌日行く旨恩師に連絡をとり、

思い立ったが吉日、そちらの保育所へ遊びに行ってきました。

 

見学、ということでお邪魔したはずだったのですが、

恩師からは「勉強に行くからよろしく」と伝えてあったらしく(笑)

一日体験入園、といった具合で、

活動に参加させてもらうことができました。

チビ太はお友達が大好きなので、すぐに場所にうちとけて、

まわりの子たちと遊び始めました。

保育所の庭(規模でいったら家庭の庭なんですけど)、

そこには、たき火スペースや泥の池、手づくりの遊具がたくさんあり、

やぎ3匹、モルモットいっぱい、ニワトリ・・・などなど生き物がたくさん!

間近で見るやぎにチビ太はびっくり。

私は、かつて京都で活動に参加させてもらっていた森のようちえんを思い出していました。

子どもたちの顔はピカピカ。

足と服はドロドロ!

あ~たのしそう~~

 

10時になると散歩に行くのが日課らしく、

みんなで歩きました。

公園までつくと、落ち葉の山に飛び込んだり、

どんぐりを拾ったり。

3歳~年長までの子たちが10名程度。

本当に良く歩き、

90分の散歩を楽しみました。

 

散歩が終わって、部屋へ入る算段になると、

みんな、自分たちで足を洗い、

そのあと、着替え。

当たり前ですが、ぜんぶ自分たちでやります。

着替えが終わると、

部屋の床を全員がさっさと雑巾がけ。

給食の準備、というわけです。

ちなみに、保育者の指示は一切なし。

考えてみたら、保育者が、大きな声を出すシーンというのは、

一度もありませんでした。

声かけ、というのもまったくありません。

 

給食もいただけるというので、ありがたくいただくことにしました。

玄米菜食+魚。

熱い味噌汁も、ぜんぶ自分たちでよそります。

さらに、驚きの作法がありました。

栄養のある野菜のおかずの順番に食べる、というのです。

しかも、準備のできた人から食べて良い、というのです。

野菜の皿がからになったら、

今度は魚、

魚を食べたら、

味噌汁とご飯をよそってよい、というふうに。

小さい子ほど、炭水化物でおなかが満たされてしまうので、

いちばん食べてほしいおかずから供する、というのが理由だとおしえてもらいました。

ほんとにこれは目からウロコでした。

 

「ふつうの保育園では、おそらく、みんなそろっていただきます、

 ということなんでしょうけど、

 自分で用意することもなく、

 出されたものを、ぜんぶ食べましょう、

 こういうことばっかりなんですね。

 大人だけが忙しい、子どもは揚げ全据え膳。

 これでは、殿様を育てているようなものなんです」

そう説明されて、さらに驚きを深くしました。

 

ちなみにチビ太には、サトイモ・ジャガイモ・ニンジンのふかしたものが一番最初に出されました。

魚のおかずが出ているのも見ていたので、

そっちがほしいとアピールするチビ太。

「うん、野菜を食べてからね」

と先生に言われ、

イヤイヤと首をふります。

 

朝ごはんをたべてから、散歩90分。

もちろん午前中のおやつはありません。

おなかはペコペコなはずなんです。

一口ずつ口には入れたものの、

3種の野菜、頑として食べないチビ太。

そのうち根負けして、

サトイモだけ半分食べました。

私のお皿のおかずも欲しい、とアピール。

「これは、お母さんのだよ。あなたは、これを食べようね」

なおも先生にやさしく言われ、

最後はさじを投げたチビ太。

おなかがすいているはずなのに、食べないんです。

チビ太がこんなに偏食だったことにびっくりしました。

 

給食の時間は終わってしまい、

チビ太のお皿も下げられてしまいました。

食べたのは、サトイモ半分だけ!

「残りは、おやつに食べようね」

とのことで、おやつまで何も食べられません。

 

小さい子たちが、午睡をはじめました。

でも、眠たい子だけ。

起きていたい子は、起きて遊んでいますが、

みんなけっこう静かです。

「静かにする決まりになっているんですか?」

とたずねてみると、

「午前中に遊びきっているので、とくに決まりがなくても、子どもたちは自然と静かに過ごしますね」

とのこと。

「気持ちが落ち着いているので、ワーワーキャーキャーやりすぎることもない。

 ケンカもしますけど、たいてい本人たちで解決します。」

だいぶ高い場所にのぼったり、

明らかに危険な高さまでイスを積んだりもするけれど、

みんな、自分の分をわきまえているので、

すっごく危険なことは起こらない。

小さい子がいる場合は、「倒れるよ、危ないよ」先生が一声かけます。

チビ太は遊びますが、空腹なので私のカバンを持って来ました。

何か入っていると思ったらしいのです。

探してみるけど、何にもない。

デッキに、蒸したサツマイモが干してありました。

すご~~~くおいしそうに見えたようで、

チビ太がそばに寄ったとたん子どもたちが

「ダメ!!」

そのあと、みんなが代わり番子でチビ太の見張り(笑)

とうとう、泣きだしました。

仕方がないので、モルモットをいじるチビ太。

で、またサツマイモ。

モルモット、サツマイモ・・・・の繰り返しです。

あきらめて、ようやく友達と遊び始めました。

 

そうこうしているあいだにおやつの時間になりました。

すると、子どもたちが率先して準備をはじめます。

テーブルをふき、

カセットコンロをはこんで、

フライパンをのせて・・・・

何がはじまるのかな?と思ったら、

生せんべい」という、味のついてない、焼いてないせんべいを、

フライパンで焼いて、

それを食べるというのです。

子どもたちは楽しそうに焼いてます。

チビ太、当然自分も食べられるものと思ってワクワク。

 

さーて、どうなるかな?

・・・・・つづく