先日の、おじいさん宅へお仕事に行った父ちゃんが、昼過ぎに私に電話をかけてきました。
夫「なあ、一万円札に聖徳太子ついてるんだけど・・・・ これって使えんのか??」
私「は??」
夫「おじいさん、お金払うからってお金持ってきてくれたんだけど、
おれ、こんな札見るの初めてだ。五千円札にゃ、メガネのおっさんついてるし。」
私「聖徳太子の一万円!いまどき珍しい! ・・・・五千円のメガネのおっさんはつい最近まで使われてたよ」
夫「聖徳太子って昔の金なのか?」
私「そうだよ。知らないの?」
夫「しらねーよ!! どっちでもいいけど、この金受け取って、使えるんか?」
私「使えるはずだよ。私、郵便局で勤めてた頃に500円札使えますかって言われたことある。使えたよ。」
昭和59年生まれの父ちゃん。
聖徳太子の一万円を知らない・・・・。
いや、私もこれまで1回くらいしか見たことないかも。
おじいさんきっと、お金はずっとしまってあって、使ってない一万円がいっぱいあるのかもしれません。
おじいさんは、マイワールドの中で生きているんだなあ~~なあんかうらやましい。
夕方、父ちゃんが持ち帰った聖徳太子一万円は、私の予想通り、ぴかぴかの新券でした。
子どもたちに見せると、レアもの好きの長男が大喜び!
「これ、使わないでとっておこうよ!」
と長男が言うと、
「ばかっ、これ使わなかったらまた飯のおかずが大根の葉っぱばっかりになるぞ!」
と父ちゃん(笑)
帰宅した父ちゃんから聞いたところによると、おじいさんは認知症で一人暮らし。
「車のエンジンがかからない!」
と朝、父ちゃんが行くとすぐにそう言って車のキーを何度も廻し、
10時になってもずっと「車のエンジンが!!」
と困っていたそう。
父ちゃんがみてあげると、どうもハイブリッド自動車らしく、
エンジンの音がしないからおじいさんには動いていないように見えるだけらしい。
というかおじいさん、車乗ったら危険だよ!
と私がつっこんだら、
「あのおじいさんは、庭には出るけれど庭の外には一歩も出ない」と父ちゃん。
お手伝いの人が一人、出入りしているようだから、
まあ、ちょっとしたことは心配がないかもしれないとも言っていたので一安心。
と、そんな話をしていたら家の電話が鳴りました。
出てみると、
「お宅の電話番号が入った請求書がね、うちにあるんですが・・・・
これはなんのことでしょうか」
とおじいさん。
あららら、混乱しちゃったのね。
電話をかわった父ちゃんが
「今日、おじいさんのうちの植木、きれいになりましたよね、
お金はもう、もらってあります。心配いりません。」
と丁寧に話すと、
「ああ、そうですか、またよろしく」
と電話は切れました。
子どもを叱るないつか来た道
年よりを笑うないつか行く道
とは私の書道のおじいちゃん先生の名文句。
まさにその通り。
おじいさん、聖徳太子の一万円をうちの子たちに見せてくれてありがとう!