イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

『正々堂々 私が好きな私で生きてていいんだ』西村宏堂

先日読んだ本。

 

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『正々堂々 私が好きな私で生きてていいんだ』西村宏堂著

本の、黄色い帯にもあるとおり

西村さんはLGBTQで、僧侶で、NYで活躍する一流のメイクアップアーティスト!

画像では見づらいですが、

左上の西村宏堂という文字のとなりには

”ハイヒールをはいたお坊さん”とあります。

 

数か月前に新聞でこの本の紹介を見かけインタビューが少し載っていて、

読んでみたいなと思っていたのですがすっかりそのことを忘れ、

そうしたら友達がfacebookで彼の記事をシェアしていて本のことを思い出しました。

 

表紙の写真にインパクトがあるので、

家の中に置いておいたら子どもたちが釘付け(笑)。

これは何?どういうことなの?と子どもたちがたずねてくるので

本の中の写真数枚を見せながら

「この人は、体は男の人なんだけど心は男の人ではなくて、

 お坊さんの仕事もしているけど、

 女の人にお化粧してあげる仕事もしているんだって」

と説明。

子どもたち、中の写真を見ながらのコメントがふるっていました。

「カッコイイ!!」

 

そう、カッコイイんですよ。

写真も、とっても素敵。

もちろん、内容もとっても素敵でした!

 

古い時代のネイティブアメリカンの世界では、

身体が男性で心が女性だった場合や、

その逆で生まれてきた人のことを

『Two spirit』と言ったそうで、

つまりは二つの魂を持って生まれたとされたそうです。

神聖な存在として捉えられていたと著書の中であり、

その考え方がとても好きだと西村さんも書いてらっしゃるのですが、

私も、それはほんとうに素敵だなと共感しました。

 

くしくも昨日の朝刊に、

”タイはLGBTQの楽園”、との記事。

公然と同性カップルがデートでき、

利用者が同性カップルで9割以上を占めるリゾート地があるのだとか。

LGBTQへの理解が最も高い国はアメリカだそうですが、

その次はタイだとか。

LGBTQの人の美しさを競うコンテストもあるそうですよ!

タイ仏教ではLGBTQは自分の意思ではどうにもならないもの、

生まれてもったものとされているそうです。

イスラム教やキリスト教では、教義として同性愛がタブー視されてきたとのことですが、

長い歴史の中で植民地化を免れたタイという国は、

ずっとLGBTQの文化が否定されずにきてその結果、

現在に至っているということでした。(記事要約です)

 

これはご自身初の著書だそうですが、

苦しかった学生時代のことや、

外国に行けばどうにかなると思って飛び出した先でもやっぱりうなくいかなくて・・・

という、悩んだ日々のことも書かれていました。

西村さんが中学や高校の頃と言ったら今から15年ほど前でしょうから、

きっとほんとうに生きづらかったことでしょう。

スカートもズボンもしっくりこなかった子ども時代、

毎日、オーバーオールを着ていたそうです。

 

日本はLGBTQへの理解はそこから大きく変化できたかと言うと、

ハテナ?な気もします。

他府県では、制服は全員スラックスになったりして、

あまり性別を意識しなくても済むような配慮が進んでいるようですが、

ここ茨城ではまだまだですね。

西村さんも、不本意ながら学ランを着ていたと書かれていました。

 

ちょっと話が大きくそれますが、

学ランは陸軍の制服で、

セーラー服は海軍の制服だと別の本で読み、

愕然としました。

いまだにそんなものを制服として採用しているという事実に。

昔からの伝統の踏襲なんでしょうかねぇ・・・。

 

話を元に戻します。

私らの頃は、ランドセルの色も黒か赤しかなかったわけですが、

今はみんなそれぞれ好きな色を背負ってますね。

パート先の年長さんと、ランドセル買った?という話になったとき、

ある男の子が「赤にした!」と言っていました。

赤はカッコイイもんね♪

だんだん、ランドセルのチョイスも広がってきたなあと感じた一コマでした。

ちなみに、ちゅーたんの友達は銀色を背負ってます!

 

みんなそれぞれが、

性別や職業や、年齢、その他のことでひとくくりにされない世の中になったらいい、

それぞれが尊重される世の中であってほしい、

そういう願いが詰まった一冊でした。

そして、西村さんのステキさがぎっしりと詰まってました。

機会があれば手にとってみてください。