イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

祖母とマイナンバーカード

昨日。

祖母のマイナンバーカードを受け取りに、市役所に付き添いました。

祖母というのは、私の祖母でつまり子どもたちにってはひいばあちゃんです。

今年、89歳になりますがとっても元気です。

 

車の運転免許証のない祖母にとっては、

顔写真付きの証明書というのは貴重。

私たちが何気なく提示して使っている免許証というのは、

車の運転をする以上に、身分証明書としての役割が大きいのですよね。

顔写真が入っているというところがミソでしょう。

祖母はこれまで、市が発行している”住基カード”というのを利用していましたが、

先月、祖母と市役所に別の用事で行った時そのカードの期限が切れていると指摘され、

更新したいと申し出たところ、

住基カードはすでに廃止になっており、同じようなものを希望するのであればマイナンバーカードの作成をしてほしいと説明されました。

なるほどそうか、ということになってその日のうちに書類を作成。

写真とらなきゃだよねと言ったら、「数年前にとったのがある」と。

大丈夫か?証明写真だよ?と見たらちゃんとした証明写真で、

履歴書も書くわけない祖母が何に使ったのか不思議になり、

これ、他には何に使ったの?と聞いたら「遊びでとったから使ってない」というではありませんか(!)

「友達数人と食事に行った時に、帰りに買い物して、証明写真ボックスがあったから

 ”こういうの、撮ってみたかった”と誰かが言い出して、

 遊びで撮った」とな(笑)。

プリクラかい!!とツッコミながら、

まあ、少しでも若いほうがいいねと笑いながら写真を貼り付けました。

数えで89歳にもなると、数年の経過はまったく現在と変わらずですわな。

 

そんなこんなで、一か月後に出来上がってきますと言われたとおり、

市役所で保管していますと通知が来ました。

それを持って、市役所へ出かけたわけです。

 

窓口で通知を渡すと、

「身分証明書をお持ちでしょうか」

と尋ねられました。

祖母が保険証を出すと、

写真付きでない場合はもう一種類、証明書が必要とのこと。

紙に、マイナンバーが印刷されているもの(全国民に配布になっているアレです)を出し出すと、

「これは証明書になりません」

とな。

まいったな。

証明書がないから写真付き身分証明書を作成しているわけなんだけど・・・。

 

保険証の他に、証明書をお願いしますの一点張りで、

どうにもらちがあきません。

運良く、市民カードというものを持参していたので、

住民票なら、自動交付機でその場で交付できる!と思いつき(カードと暗証番号があれば住民票が取れるのです)

「保険証と住民票ではいけませんか?」

と問い合わせても、

「住民票は証明書になりません」

とな!

なんじゃそらーーー!!

住民票なんて、他人に取れるものじゃないじゃん?

それなのにダメなの?!

 

決してこわもてでなく丁寧に

「あなたでない、お話のわかるかたと代わっていただけませんか」

とお願いするも、

「私の他に誰が来ても同じです」

とな。

私も、

「おっしゃっていることはよくわかりました。

 写真付き証明書として使っていた住基カードの有効期限が切れたので、

 この、同じ窓口でマイナンバーカードを作成するように言われて作成したのです。

 住基カードがないのですから、保険証の他に証明書類と言われても困るのです。」

と粘りました。

するとなんと窓口の方が

住基カードの有効期限が切れる前にマイナンバーカードを作らなかったのがいけないのではありませんか」

とのたまった。

これには驚きました。

そうしたらさすがうちの祖母も黙ってられなかったらしい。

「有効期限があるなんて、知らなかったんですよ。

 それで困って、これ(マイナンバーカード)作ったんでしょ。

 私は車の運転もできないし、こうして孫が仕事休んで連れてきてくれてるんです

 どうにかなりませんか」

とお願いしました。

すると窓口の方は

「年金手帳はないんですか?保険証のほかに、年金手帳持ってきてください」

・・・・・・。

お役所の仕事だから、言ってることはわかる。

決まりだから、というのもわかる。

かつて私も、郵便局の窓口のときに、

書留を渡すのに免許証も保険証もなくて、

それでも「印鑑あるのに渡せないとはどういうことだ!」と怒鳴られたことが何度かある。

わかる。わかるけど・・・・・。

住基カードの有効期限切れる前にマイナンバーカード作れだの、

そんな言い草はないよな・・・・

とモヤモヤしていたらついに、うちの90ばあさんがキレた!

「政府が作れ作れってあんだけ宣伝しといて、

 やっとこうやって来てるのに渡せませんなんつって、

 面倒くさいことこの上ない!

 年寄りをばかにしてるわ。こんなのいらん!」

と(笑)

さすが~。

私、この血ひいてるわ~~~と、みょうに納得してしまいました。

 

まあ、もうしょうがない。

こうなったら年金手帳を取りに帰ろう、と祖母を再び車に乗せました。

「あんなカード要らないわ」

と毒づく祖母を

「まあまあ。短気は損気と言うからさあ。せっかくだし、受け取ろうよ。

 今後も、写真付き証明書なくて困ることがあるかもよ?」

となだめて・・・(笑)

 

そしてタンスの中から年金手帳を見つけ出し、

それを持って再び市役所へ。

昼に差し掛かっていたせいなのか、さっきの職員さんは見当たりません。

別の職員さんが対応してくれて、

保険証と年金手帳を身分証明書として、

あっさりマイナンバーカードが交付されました。

顔認証と言って、カードの顔と本人が同一人物かどうかカメラの前に座らされたり、

パソコン画面に自分で暗証番号を入力させられたりと、

案外、手続きは多い。

カードもらってはいおしまい、だと思っていたわ~。

「これじゃ、年寄は一人じゃ無理ね。パソコン見せられても、わからないもの」

と祖母。

ほんとにその通りだね。

もろもろの手続きが終わって5分後。

ようやくカードの現物を受け取って職員さんの説明を受ける。

「10回目のお誕生日まで有効です」

と言われてすかさず祖母

「その時は生きてません」

とな!!

私はマスクの内側で爆笑しましたが、職員さん返答に困るからそういうブラックネタやめなさいよ~(笑)

 

無事にカードを手にしたあとみょうな達成感があり、

「なんか、二人でよくがんばったよね」

としみじみ笑いました。

「生きてるのも大変よぉ。毎日暑いし、ほんとに。」

と祖母が言ったのでまた笑いました。

 

年の差、実にちょうど50歳。

私が50歳になったら100歳か。

いつまでも元気でいてほしいものです。