友人AKANEのお店「キッサコ」で見た貼り紙。
展覧会のご案内。
この、中川先生という方が素晴らしく素敵な書をかく方で、
市内の街角美術館で書作展があったのを見て(これもキッサコ経由)
すっかりファンになったのです。
ちなみに中川先生は、坂東市のお寺のご住職。
福祉学園の理事長や、神奈川の長谷寺のお仕事などもなさっているとかで、
大変多忙な方だそう。
この展覧会、ぜひ行きたい!と思っていて、
最終日の昨日、娘と二人で行ってくることができました♪
結城は、10年以上前に友人が住んでいたことがあり、
街の中を通ったことがありましたがほんとに久しぶり。
やっぱり結城は結城。変わりないところが素晴らしい。
娘も一緒に車に乗っていて
「あたし、この場所好きだな。古いものが好きだから。」
そうか~♪気に入ってくれてよかったよ!
蔵をつかって、展覧会を開いた結城の『武勇』さん。
老舗の造り酒屋さんですね。
展覧会とはいえ、玄関で展示、小さな座敷一間で展示、
さらにその廊下から蔵へ続くところで展示、
そして蔵の中の展示、と小ぢんまりしたアットホームな展覧会。
なんとも、春風のようにあたたかい書に触れて、
掛け軸の中で、古文字(漢字の成立した頃の、象形文字のような)と鳥が踊っていたり、
文字とともにかわいいお地蔵さんが描かれていたり、
ご住職の作品を見て本当に心がまるくなる思いでした。
ああ~きっと、この作品のとおりのお人柄なんだろうな~。
そしてチラシにもある通り、棟方志功の作品ももちろんありました。
棟方志功!!
棟方志功も私にとっては憧れの作家であります。
小学生のときに、教科書で見たんだか何だったか、
でっかい仏様が描かれた版画作品を見て、大胆さに衝撃を受けました。
(今ここに書くにあたり調べてみたら『二菩薩釈迦十大弟子』という作品のようです)
なんでかな~と思っていたら、
棟方志功は「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ」などの作品を彫っているんですね。
小学校時の先生が宮沢賢治のことを大変好きだったこともあり、
棟方志功が書いた”慈光”という掛け軸の作品もあり、感動。
上手いとか下手とかじゃない。
もう、白と黒のコラボレーションですよ。
紙と墨のぶつかりあい。
エネルギーに圧倒されて、しばし作品の前で心が満水状態になりました。
娘も感ずるところがあったのか
「これ書いたひとは、もう、心の中が叫びたくてこれ書いたんだね。」
とコメント。
そう、そうなんだよ!書かずにはいられなかったんだね。
さすが娘、アートがわかる!!
そして、私が帰り支度を始めた頃、蔵に最初入ったときに案内して下さった方が、
「あ、お姉ちゃん!そちらにご住職いらっしゃってますよ♪」
と私のそばまで来て教えて下さり、お姉ちゃんって、私お姉ちゃんでいいんですか?!
もうすぐ39歳ですけど?!と余計なことまで思いながら振り返ったら
なんと憧れの人・中川ご住職が縁側に座っていらっしゃいました!!!
しかも、さっきからそこに居たかのように。
いやあ私にとっては、棟方志功がそこにいる、というほどの衝撃です。
縁側にあった座布団をすすめられ、
ご住職とごあいさつ。
去年、市の展覧会からずっと憧れていた方に会えて、
しかもお話までしていただき、胸がいっぱいでした。
想像通り、ほんとうに器の大きなかたで、
しかしながら圧倒されるような氣をまとっているような様子はいっさいなく、
まるで水のように風のように透明な感じがしました。
友人AKANEの店のために、気軽に作品を書いてプレゼントしてくれた、
という話を以前聞いていたので、
まさに、そんな気さくな雰囲気の方だな、と納得。
私が娘の手を引きながら展覧館会場を出る時、
ご住職はわざわざ玄関のところまで出てお見送りして下さいました。
なんというのか、ほんとうにほんとうの仏の世界を心に持っているかたは、
上も下も、右も左も、
ぜんぶ平らなんですね。
有り難い。
素敵な方としばしの時間を共有でき、私も命の根がまた深く伸びた思いがしました。
蔵を出た後、道向かいにある武勇のお店に寄りました。
中川ご住職の運営する慈光学園のみんなで育てたお米を使い、
それを醸してつくったお酒だそう。
記念に1本、買って帰りました。
素敵なパッケージどおりのお味で、大満足!
(もちろん帰宅してから飲みましたよ(笑))
素敵な休日でした♪