イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

台風の前日の話

日はさかのぼりますが台風の前日の金曜日。

実は、ひとりでふらりと上野へ行ってきました。

何をしに?

ゴッホ展』を見に。

数週間前に、生協のチケット販売のチラシでこれを見かけ、

初めて、前売り券なるものを買ったのですよ。

しかも大学生料金♡

 

台風も近付いていて、万万が一、その後家がとんでもないことになったら

絵画鑑賞どころじゃなくなるよな、

きっと、会期中に行けなくなるだろう、

そんな気がして、たまたまパートも休みだったので思い切って初日に行きました。

 

初日の午前中だから人もまばらだろうと思って、ゴッホ展をなめておりました。

その昔、マルモッタン美術館展が上野に来たときも、

初日の午前中に行ったことがあるのです。

それも人気の展覧会でしたが、ゆうゆうとまわることができました。

で、そんなつもりで美術館内に入ったら、人・人・人!

どんだけ人気あるんだゴッホ!!

すべてをゆっくり見て回るのはその時点であきらめました。

 

今回、目玉は「糸杉」。

幸いにして糸杉の前に人だかりはなくて、

ゆっくり見られました。

本物の糸杉は、圧塗りの絵の具に、筆の跡もぐいぐいと残り、

圧巻でした。

言葉にならぬ思いで見ました。

晩年のゴッホは、みなさん先刻ご承知のとおり病んでいたわけですが、

病んでいてもなお、あの明るい色づかい。

不思議ですね。

補色、つまり反対色のことですが

美しい黄色にこだわり、そこに紫、青などの対比をもってくる。

そして、モネの影響を受けて桃色の空への憧れがあったようです。

じっさい、糸杉は三日月も出ていて夜の景色なのですが、

青い夜空の一部が桃色になっています。

 

展示室を出て、気に入った絵のポストカードを何枚か買おうと思ったのですが、

なんとそこはレジ前に長蛇の列!

ここはディズニーランド?!

会計まで1時間はかかるんじゃないかという雰囲気だったので

ばかばかしくなって外へ出ました。

 

若い頃から大好きな上野。

上野は、文化的で、雑多で、重厚で古くて、どことなく”いわくつき”な感じがいい。

あの、不思議な感じは、上野にしかありません。

そしてそして、その日、第二のメインである「とある場所」へ移動。

かねてから潜入してみたかった場所、東京芸術大学

足を入れていいものとは知らず、一度も行ったことがなかった東京芸大

昔、予備校生だったころに雲の上の場所に感じていた東京芸大

一般人も敷地に入っていいだなんて!

 

上野動物園沿いに北東に歩いて5分。

東京芸大を発見。

敷地内には東京芸大美術館というのがあり、そこは入場無料。

普段はどんな展示をしているのかは知りませんが、

その日は退任される教授の日本画がたくさん展示してありました。

手塚雄二展↓

https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/current_exhibitions_ja.htm

ここの二階はレストランにもなっています。(べらぼうに値段が高かった)

人だらけのゴッホ展のあとだったので、

静かな美術館にめっちゃ満足。

さらに、敷地内の別の建物で、もう2つ企画展示があり、

そこも見てきました。

東京芸大内では展示もさることながら、敷地内の建物の様子にもうっとり。

屋内なのに石でできた階段、それも、人がなですぎてつるっつるの手すり。

赤レンガが積んである塀の横で、瓦屋根付きの門。

よくぞ戦禍をまぬがれたな、としみじみ。

歩いていると、タイムスリップした気分になりました。

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どうやら、卒業制作の作品展も毎年、芸大美術館にてやってるらしい。

今度は卒展見に来よう!!

小さい小さいミュージアムショップもあり、

まん丸の白い軸に、『東京藝術大学』と校章と名前が箔押ししてある2B鉛筆を見つけたので、

長男と娘にと思ってお土産で買いました。

ミュージアムショップには、大学見学とおぼしき高校生のグループが何人かいて、

他の大学もまわってきたようで、

パンフレット入りの袋を持っていました。

そうか~そういうシーズンなんだね。

 

ちょうどお昼になったので、せっかくだから学食で食べました。

かけそば一杯250円!!!

芸術学部のほうの学食は長蛇の列だったので、

音楽学部のほうに行って食べたのですが、

お昼食べながら発声練習している人や、

予習でオペラの動画をタブレットで見ている人などいて、

めちゃくちゃ面白い。

そして、芸術学部の学生さんはみんな着ているものが汚いんですが、

音楽学部の学生さんはめっちゃ小奇麗でお金持ちそう(笑)。

道路を挟んで学部が変わるのですが、

道路のこっちとあっちで全然世界が違って面白かったです。

帰りは、国立科学博物館沿いに歩いて帰ってきました。

徳川最後の将軍が幽閉されていた寛永寺も行ってみたかったのですが、

台風が近づいていたこともあり、午後1時には電車に乗り帰路へ。

ディープな上野でした。

まだまだ発掘したいです。

 

ちなみに、長男と娘は鉛筆のお土産に思いのほかめっちゃ喜んでいました。

長男「なんだこれ~!レアすぎてつかえねえ~~!!」

だそうです。