イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

町の電器屋さん

結婚前から実家に、ひとつドライヤーが余っていました。

おそらく、父がゴルフの賞品かなにかでもらったものらしく、

美容室仕様とかいうちょっといいドライヤーでした。

でも、それまで家にあったものと比べるとちょっと重たい代物だったため、

家族に不評でお蔵入りしていました。

それで、農大の寮に行くときにそれをもらい、

結婚後もそれを持って引っ越しを繰り返し、

ずっと使っていました。

 

一昨日、風呂上がりに髪を乾かそうと思ったら、温風が出ない。

あれ?

と思ってトントンと軽く叩いてからもう一度点けてみたら、

今度は温風が出ました。

接触不良なのかな。

私は無事に温風て乾かせたものの、いったん切ってから娘に交代したら娘は

「なにこれ!風つめた~い!」

と。

今度は何をしてもまったく温風が出ません。

あら。やっぱりだめか。

 

ドライヤーをよくよく見ると2002年製の刻印。

ああ、寿命だねキミ。

というわけで、昨日早速、朝一番で電器屋さんに行きました。

前にも、洗濯機買い替えの段でここにも書いたのですが、

私はうちから車で1~2分の場所にある電器屋さんが好きなのです。

そこで買ったものは、何年経っても保証書云々一切なく、

必ず修理してくれるからです。

 

それで、壊れたドライヤーも小型家電リサイクルで引き取ってくれるだろうし、

と思って一応持って行きました。

「近所の**です」とおばちゃんに名前を告げると

私の大好きな店長は不在でしたが、店長の相方であるHさんが出て来てくれました。

壊れたほうのドライヤーを調べてくれ

「直せるかな~ いや、でもヒーターがもう寿命なんだな~」

と温風が出ないことを確認していたので

「買い替えるつもりで来たので、新しいのください」

と言ったら、カタログを持ってきてくれました。

当たり前ですが、一番品質のいい品から勧められますよね。

「これはナノイーが出て、電圧調整すれば海外でも使えるらしいよね」、

なんて説明を受けお値段聞いたら2万円(笑)

「Hさん!うち、こんないいのいらないわ~(笑)男子、みんな坊主だし!」

「そうかそうか(笑)」

というわけで、店にたった一個だけ在庫があったドライヤーを持ってきてくれ、

「これでじゅうぶんかなあ~?」とHさん。

コンセントに入れて、点けてみてくれました。

なんと風の静かなこと!

十数年のあいだに、ドライヤーの技術も進歩していたんだなあ。

 

値札をみたら3千円台だったので

「それ買います!」

と私が言ったら、

「じゃ、3千円ちょうどで!」

と端数バッサリ切り捨てでにこにこしながらおまけしてくれました。

うれしいなあ~♪

言ってみるならあれです、

サザエさん!今日はサンマ一匹おまけしとくよ~」

って言って、顔なじみの魚屋のおじちゃんが袋にガサっと一匹追加してくれるような。

カウンターでやりとりしていただけなのに、

熱いおいしいお茶まで一杯出してもらい、

北風の寒い朝だったのでとっても嬉しかったのでした。

私がまだ3歳くらいのとき、ここのお店に姉のリクエストでピンクの小さなラジカセを買いに行き

パンダの絵のついたカセットテープをおまけでもらったことを思い出しました。

姉がカセットテープをもらったのがうらやましくて泣いたら、

おばちゃんが「ごめんごめん」と言って私にもウサギの絵のついたピンクのカセットテープを持たせてくれました。

10分録音の短いテープでしたが、うれしくて、ずっと大事にしていました。

テレビのスピーカーに近付けて、姉と二人でよくアニメの主題歌を録音したなあ~。

「シー!しずかにして!」

という自分たちの声まで録音されていて、

再生したあと姉と二人で顔を見合わせた思い出。

うちの子どもたちにも、そんなたのしい思い出が大人になっても残っているといいな。

 

アナログ時代から、ずっとある電器屋さん。

年末になると、必ず新しいカレンダーを届けてくれます。

これからもずっとファンです。