イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

いつかくると思っていた日

このブログの中でも時々登場していたお客さんが、

先日、亡くなりました。 

わが家がかけだしの頃、私がチラシを手渡した縁で出会うことができ、

以来ずっとよくしてくださっていた方で、

ご近所を何軒も紹介してくださり、

そのエリアではほかの植木屋は入る余地もないくらいにわが家に仕事を斡旋して下さいました。

本来、そのエリアは敷居の高い場所なので、ポスティングや営業では仕事はできない場所なのですが

「うちに来ている腕のいい若い植木屋がいるから、使ってやってよ」

と近所にどんどん声をかけて下さったのです。

年に何度も行くので、私も父ちゃんも、親戚のおじさんのように思っていました。

長男もよく手伝いに行っていたので、

長男のことを「二代目!」と呼んでかわいがってくださいました。

「集金は奥さんに来てもらってね」とわざわざ私を指名してくれ、

お代といっしょに「子どもに食べさせてあげて」

と毎回大量のお土産を持たせてくれました。

私にもお土産でエビスビールやレアな日本酒を下さったこともしばしば。

奥さん、酒豪だってね?とよくからかわれましたが、

「いえいえ、ちっとなめるだけですよ」

と言うといつも可笑しそうに笑ってくれました。

 

お一人住まいで車の免許もお持ちでなかったので、

何かと困ったときには遠慮なく呼んでくださいね、

と私たち夫婦も気にしてはいたのですが、

この夏体調を崩し救急車で運ばれ、

約2カ月の入院ののちに先日亡くなられたそうです。

 

思えば今年は、夫の母も亡くなり、

何か、大切な人たちがどんどん会えない場所に行ってしまう年なのだな、

と感じています。

 

西口のおじさんなしでは、わが家はここまで植木屋として成長することはできませんでした。

今年の正月にはサプライズで門松をプレゼントし、

「こんなの置いてたらみんなびっくりするな」、と照れくさそうにとても喜んでくださっていました。

秋にはミカンの移植をしたいと言っていて、

初夏にミカン移植の準備をしに父ちゃんと私の二人で仕事に行きました。

この夏にはミカンの白い花がたくさん咲き、

たいへん喜んで「今まで一輪も咲かなかったミカンの花が数えきれないほど咲いたよ」と電話を下さいました。

いつかくると思って覚悟していた日が、

こんなに早くほんとうになってしまうなんて、さびしさでいっぱいです。

おじさんはミカンの生るのを待たずに、別の世界へ行ってしまいました。

思い出すと涙が出ますが・・・・

ありがとう、ありがとう。

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