「楽しく生きるって、どうやればいいんだ?」
と、酒飲みながら父ちゃん。
は?
「こないだ、二軒隣りの大工のおじちゃんと仕事したとき、
”おう**くん、人生は、楽しく生きるしかねえよ”って、
昼飯食いながら言われたんだよ。」
はあ、なるほど。
まあ、仕事ばっかりしてたんじゃ、楽しめないだろうね。
120%、毎日仕事ばっかりしてたら、
頭んなか同じ場所しか使わないからね。
そうなると、早死にするね。
「でもよ、わかるか?おれがやんなきゃ、おれの仕事誰もやってくれないわけじゃん」
まあ、そうだね。
「だろ?誰も人つかってねえし。」
(私も使われてますけど・・・忘れてない?)と思ったけどそれは言わず。
まあ、人雇えばそれだけ心労も増えるから父さんの性格ではマイナス要因になるよ。
「どうすれば楽しく生きられんのかな・・・・」
自分が好きで楽しいことを、日々の中に織り込むしかないんじゃない?
毎日じゃなくても、どこかに。
「趣味ってこと?」
うん、まあわかりやすく言えばそうだね。
「趣味・・・・でもよ、趣味のために割ける時間って限られるじゃん。
それで食えるわけでもねえしよ。」
食うために趣味やってる人なんざいないよ。馬鹿言っちゃいけないよ(笑)
好きだからやってるんでしょ。楽しいからでしょ。
「趣味・・・・今はあいつ(長男)と釣りやるくらいかなあ~」
いいんじゃないの?楽しんでるでしょ。
「なんかな~」
まあさ、父さんは知らないだろうけど、
大工のおじちゃんも、現役時代は人いっぱいつかって、どんどん家建てて、
毎日忙しそうにしていたよ。棟梁なんだからさ。
私が子どもの頃は、トラックも何台もあって、
人もいっぱいいて、みんな忙しそうだったよ。
そりゃ、おじちゃんだってその頃は子育てはおろか、仕事200%だったに違いないよ。
今、ほとんど引退になってみて、
人生は楽しく生きなきゃなあって、そう思ったってことでしょ。
「・・・・。」
私は、仕事のほかにも、いろいろ足突っ込んでる場所があるし、
今年は自分から放送大学にも手を出したし、
時々縫い物したり、車の中で歌ったり、
そういうので、じゅうぶん人生楽しいけど。
「はああ~。」
(今のため息は、どんな意味?!!)
男の人って、仕事に真面目なら真面目なほど、窮屈で大変なのかもしれませんね。