イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

絵本いろいろ

小さい頃に、よく母が読んでくれた本のひとつに

「さんまいのおふだ」があります。

この話をご存知の人は多いと思いますが、

お話の最後が、おにばばが餅にはさまれたり、

豆になっちゃったり、

井戸に誘導されたり(おおかみと7ひきのこやぎ?!)、

いろいろ違うみたいですね。

 

私は、

この「さんまいのおふだ」が自分の原点なので、この話が好きです。

一見画がおどろおどろしいようで、

でもよくみるとふにゃふにゃの画がなんとなく可笑しい。

薄黄色い和紙の上で展開する小僧の奮闘が、

いかにも昔話の世界、という感じがします。

 

先日、本屋で偶然にこれを見つけ、

懐かしさのあまり買いました。

実家の物置をあさればもしかしたら出てくるのかもしれないけど、

あったとしてもきっと古くてシミもひどいだろうし

(いかんせん、私が生まれる前から家にあったもよう)

せっかくなので新しいの買おう、と。

 

布団に入ってから、寝る前に子どもたちに読んであげます。

怖がるかな、と最初思ったのですが、

物語が”おっかな面白い”せいか子どもたちは釘付け。

こわくない?と途中で聞いたら

「面白いからこわくない」

とのこと。

それで、みんなが大好きなのは小僧さんが便所に行って

”まだ まあだ ピーピーのさかり”

というシーン。

ここは最高に好きらしく、みんなが爆笑。マネして笑ってます。

便所の神様があらわれるんですが、

便所の神様の画を見た瞬間、

私自身も一瞬だけ子ども時代に戻った気がしました。

この神様の画、覚えてる!とね。

 

おふだの術のおかげで無事に寺まで戻れるんですが、

おしょうさんがのんびりしていてなかなか戸をあけてくれないんですけど、

そのシーンも子どもたちは大好きで、

じれったがる小僧さんと、のんきなおしょうさんのやりとりに

可笑しさが我慢できずかならず「ぐふっ」と笑うのはちゅーたん。

そのちゅーたんの「ぐふっ」というのを聞くのが私は大好きです。

 

そんで最後は、この本ではおばばは豆になって、

おしょうさんにガリガリとかじられて食べられちゃうんですけど、

私はおさない子ども心にこのラストには

「おしょうさんのお腹の中では何事も起こらなかったんだろうか・・・?!」

と毎回思ったものです。

うちの子どもたちはどう思っているのかなあ~

と思っていたら、

ちゅーたんが昨晩、読み終わったあとに

「おか~さん、おばばは、さいしょから豆でできていたんだなあ?」

と言ったので可笑しくてかわいくてみんなで笑いました。

 

さんまいのおふだのほかに子どもたちが大好きなのは

 

「あっちゃん あがつく」です。

食べ物がかわいく擬人化された画が、子どもたち大好き。

”しっちゃんしがつくシュークリーム”

ほっちゃんほがつくホットケーキ”

などなど、あいうえお順に文字が出てきて、その文字にまつわる食べ物が出てくるんですけど、

子どもたちは自分の名前の頭文字のところになるとハリキリます。

なんといっても魅力は画の中の食べモノたちのかわいいこと。

バーベキューの食べ物が炭火の前でダンスしていたり、

ケーキがトランプしていたり。

読みながら心がなごみます。

 

そしてこれ。

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大草原の小さな家の原作となった、

「小さな家のローラ」。

絵本作家の安野光雅さんが、全ページに挿絵を入れている作品です。

いわゆる児童書なので文字が多いのですが、

これを、4月から時々寝る前に一章ずつ読んであげています。

12章とか13章とかあるみたいなんですが、

いま、10章くらいまできました。

 

長男がやっと読める漢字があるくらいなので、

小学校1年生の娘が自分で読むにはだいぶハードルが高い本ですが、

読んで聞いている分にはべつに文字が多くても平気というわけで、

子どもたちは楽しみにしてくれているようです。

忙しくて疲れて読んでやれない日も多いけど、

少しずつ読んで、だんだん終わりに近づいてます。

メープルシロップを採って煮詰める場面があるんですが、

それを読んだ翌日はみんなホットケーキが食べたくなり、

ホットプレートで焼いてメープルシロップたっぷりかけました。

 

絵本は、内容もそうですが、

結局「大人になった時に心に効いてくるものなんだ」というのが私の感想です。

絵本にまつわるエピソードが、子どもの心に残り続けるんだろうな、と。

私も、さんまいのおふだの画を見ていると、

古くて小さい建て替える前の実家の雰囲気を思い出します。

 

「大人になった自分を支えるのは、子ども時代のあなたです」

というようなことを言ったのは絵本作家のナントカさんだ

と恩師から聞いたいつかの言葉。

まさにそうだと思います。