イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

娘の歯

土曜夜中から熱を出した娘。

日曜夜には40℃超え!

そんなわけで保育園をお休みした月曜日。

昼ごはんのあと、娘が

「歯にはさまってるのがとれない」

と言ったので、

どれどれつまようじでとってあげるよ、

と膝の上に娘を寝かせて奥歯の食べカスをとってあげました。

挟まっているのはどこかなーと言いながら奥歯を見てみると・・・・

こ、これは・・・・

娘の歯に不自然に茶色い部分発見!!

も、もしや・・・・虫歯!!

 

私は生まれてから30歳まで虫歯というのは1本もありませんでした。

小さいころから歯はじょうぶで、なんでも食べられるし、

口の中のトラブルと無縁で過ごしてきました。

そんなわけで、心のどこかで、

私に似てうちの子どもたちは歯がじょうぶ、という過信があったのです。

さしあたって、長男はとりわけしつこく歯磨きなんてしていなくても

歯のトラブルがなかったので、

子どもたち全員に対してそういう気持ちがあったのですね。

 

なので、娘の歯に虫歯を発見し、

ガーーーーーン

という気分に。

それに、つい6月にあった保育園の歯の健診では異常なしだったのですから、

まさに「えーーーー!!」

という気持ちでした。

 

娘に、もしかしたら虫歯を発見してしまったかも・・・と伝え、

明日、歯医者さんに行こうね、と言ったら、

娘は私の気分をそのまま表情にしたような

「ガーーーーン・・・」という顔つきになり、

目にはみるみる涙があふれ、うつむいて無言になりました。

そうだよね・・・・わかる、わかるよ。。。

「**ちゃんも(兄)、**ちゃんも(弟)、虫歯なんてないのに・・・・

 なんでアタシだけ虫歯になっちゃうの?」

泣きながら言う娘。

ほんとだよね、きょうだいの中で一番まじめに歯磨きしていたのは娘なんですから・・・。

娘は、自分の口の中に虫歯がないことを自慢に思っていたのです。

だって、歯の絵本を読むときはいつだって、

「あたし、虫歯ないんだ~ だってちゃんと歯磨きしてるもん♪」

と言っていたんです。

 

「ごめんね、お母さんがちゃんと仕上げ磨きしてあげていなかったから、

 いけなかったんだよ。ごめんね」

言っているうちに私も泣きそうになりました。

ああ、一人ひとりに目が行き届かないというのはこのことか。

娘の気持ちを思うと切なくなって、どんどんかなしくなりました。

すると娘は顔をあげてキッと私をにらみ

「そうだよっ おかあさんが、ちゃんと歯磨きしてくれなかったから、

 虫歯になっちゃったんだよ!!」

泣きながら怒りました。

娘のグーパンチを受けながら、

ほんとうに、母ちゃんがいけなかったよ・・・・と何度もあやまりました。

 

少したって、気が晴れたのか、

歯医者さんはどんなことをするの?

とか、

痛くない?

とか、

いつなおるの?

とか娘の言葉が質問に変わりました。

 

ひとつひとつに丁寧に答えるうちに、娘は納得したらしく

「わかった・・・・がんばる・・・虫歯のこと、ばーちゃんにもお父さんにも、誰にも言わないでね」

と下を向きながらポツリ。

 

今度は私のほうが泣きそうになりました。

えらい、えらいよ娘!!!

何度もほめてハグしました。

 

 

かくして翌日。

予約通り10時半に歯科へ。

私の年齢くらいの女医さんがいる歯医者なので、

ぜひ女の先生で、と予約時にお願いしてありました。

保育園の先生のように優しい女の先生が、

娘の名前を呼んでくれ、

何歳なの? とか声をかけてくれ、

娘の緊張は少しましにはなりましたが、

いかんせん、初めての歯医者なわけで、

やっぱり口開かず。

でも、先生に

「きっとできるよ、大きな口をあけるだけだよ~」

とニコニコやさしく説得され、

娘の口はようやく御所の門のようにゆっくりとギイイイイイと言う音がしそうなくらいゆっくりと開きました!!

エライ!

 

診察の結果、やっぱり予想通りの「虫歯ですね」という言葉が。

あーあ・・・・やっぱり。

先生はとっても優しくて、

治療に使う機械を見せてくれたり、

触らせてくれたりして、

ちゃんと子どもにも説明して、

がんばれるかな?と確認をとってくれました。

うつむきながらもうなずく娘。

治療中、そばに立っていていいというので、

そばにいて手をつないでいました。

すると、やっぱりこわいらしく、

身じろぎした娘。そして目から涙がひとすじ。

 

今日はこのくらいにしておこうか?

と先生が切り上げてくれたので、

診察台から起きた娘を抱っこしました。

16kgになった娘。

ああ、大きくなった。

心もちゃんと大きくなってる・・・!

 

次は行けそうにないくらい落ち込んでいましたが、

娘のためにはやっぱり治療してもらうほかありません。

予約をとって帰宅。

 

夜になり、娘は頑として口を開けようとせず、

虫歯のむの字も言ってはならぬという雰囲気。

口数もすくなく、元気がありません。

ああ、気が重いな。

予約はしたけれど、次はできないかも・・・・

などなど、私の気持ちも重くなるばかり。

診察台の上で、泣いちゃう娘の姿が目に浮かぶようです。

 

夜、母ちゃんはお風呂に入って、ひとりでぼんやり考えていました。

ああ、どうしたらいいんだろうなあ・・・・

娘、歯医者さんしっかりやれるかなあ・・・・

自分が歯医者に行くほうが、よっぽどよっぽど簡単です。

すると、すごく沈んだ気持ちのところで、

ポトン、となにか浮き上がるものがありました。

 

は!

そうか。

なんで、うまくいかないことばっかり考えちゃうんだろう。

そう思ったら、急に暗雲が晴れてきました。

娘ならできる。

ぜったい大丈夫、だって、あの頑張り屋の娘だもの、

きっと、またしずかな声で

「アタシ、がんばる・・・」

そう言ってくれるに違いない。

 

と本気で思ったそのときに娘がお風呂場のドアを開けて、

お風呂に入ってきました。

そして、かけ湯をしながら一言。

「アタシ、明日歯医者さんがんばる」

キッパリと言ってくれました。

えらい、えらいえらいよーーー!!!

何度もギュウギュウ抱きしめて、

母ちゃんは泣きそうでした。

 

本日、午後また歯医者です。

がんばろう、きっとできるよ。