昨日は、槇の植栽工事。
なかなか、こんな大きな仕事はないので、
写真で記録させてもらいました。
これは、前日に穴掘りに行ったときの様子。
塀のコンクリの基礎がちょっとひっかかるとのことで、
ハンマードリルという機械で削っています。
L字型の基礎なので、ほんの一部削っても問題ないそうです。
本当は、大型トラックからクレーンで吊って、
という搬入のときから記録したかったのですが、
子どもたちを保育園に送って行くのにカバンを忘れたり、
娘がぐずったりしているうちにどんどん時間が過ぎてしまい(笑)
おっぱいあげてからおんぶして・・・・なんてしていたら、
すでに穴におさまってしまったあとでした。
残念~~
上の写真は支柱の竹の場所決めをしているところです。
幹に包帯のようなものを巻いているのは、
幹からの蒸散を少なくするためだそうです。
根がつくまでは根からの吸い上げる水の量が少なく、
蒸散してしまう量のほうが上回ってしまうと木が弱るため、
こうして保護してやる必要があるのだそうです。
支柱はどうして必要なの?
と聞いたら、
根がのびはじめたところに風が吹いたりすると、
木がぐらついてせっかくのびた根が切れてしまい、
根がつきづらくなるからだとか。
また、このくらい大きな木だと、
根がない状態では倒れる危険があるからだそうです。
なるほどー。
いつまで支柱が必要?と聞いたら、腐るまで、とのこと。
幹の包帯も、腐るまで。
自然に還る素材でできています。
支柱の場所が決まって、
支柱と幹を結んでいるところ。
幹が傷まないよう、腹巻みたいなのをしています。
頭がどのくらい高いかと言うと・・・・・
支柱竹の長さを切り落として調整。
縄も結び終わり、
ほんの少し、出ている葉っぱを整えています。
これにて植栽、完了です!
高い槇ですねー。
ハシゴは11段。
父ちゃんは高い場所はぜんぜん怖くないそうです。
みなさん、植木屋の必須条件ご存知ですか?
手先の器用さ?
高所恐怖症でないこと?
いやいや、どれも重要でないそうですよ。
「太っていないこと」だそうです!
太っていると、剪定のとき枝に乗ったら枝が折れてしまうから、だそうです。
たしかに!
太っている植木の職人さんって、父ちゃんの仲間でも殆どいませんでした。
おばあさんは本当に嬉しそうに何度も眺めてくださり、
「やっぱり玄関前に木があるといいわね。
松がなくなってから、さびしくってねえ」
とおっしゃっていました。
それにしても、この槇の、なんともなんとも家とのマッチングがすごい。
「もう、20年も前からそこにあったみたい」
と私が言ったら、となりにいたおばあさんも、
「本当ねえ、今日来た槇じゃないみたい」と。
すると父ちゃん
「そこに、当然あったように植える、それが植木屋の仕事なんですよ。
今回は、これだけの姿の槇に出会えたことがすべてでしたけど」
と笑っていました。
この槇は、父ちゃんが日ごろからお世話になっている、
隣町の親方の圃場にあったもの。
親方いわく
「俺が生きてる間に、もう出ないと思ってたけど、20年くらいかけて仕立ててきた槇」
だそうで。
大きな松や槇が売れる時代が終わり、親方も、こんな大物の植栽工事は10年ぶりとのこと。
当日は、親方所有のクレーンつきトラックで、現場まで運んでくれ、
搬入を手伝ってくださいました。ありがたい!
それにしても、この槇、
おばあさんのおうちにくるのをずっと待っていたんだなあ~~
20年も、待っていたんだなあ~~!!
土方歳三がふらりと入ったオンボロ骨董屋で、生涯をともにする古い名刀と出会う場面を思い出しました。
ほんとに、縁に感謝。
毎年、手入れにうかがうのが楽しみです!