イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

チャレンジ!

今日は父ちゃんの話。

 

数年前、当時勤めていた京都の造園会社から

「造園の技能士検定試験と施工管理2級を受検するように」とのお達しがあり、

父ちゃんは自分では自信がないながらも受検しました。

有資格者や技能士がいるということは会社の入札競争の際に有利になるので、

会社としては資格者が欲しかったのでしょう。

わが家は当時、出産も控え(そう、娘が生まれた年のできごとでした)、

さらには安月給もいいとこでめちゃくちゃ貧乏でした。

試験には、受検料以外に造園協会の講習というのも受けないといけなくて(受けないと合格しない、とも言われているくらい)、

それも含めると5万円くらいの出費。

「会社が取れと言ってるんだし、せめて半額くらい出してもらえないの?!」

と私は通帳を見て悲鳴をあげながら言ったけれど残念ながらすべて自腹。

結局、5万円の臨時出費は簡単にでるわけがなく、

父ちゃんの実家に電話して借りた思い出です(笑)

 

さて、施工管理2級は猛勉強の甲斐あって見事に合格!

残る技能士試験も頑張って!!と勢いも加わって、

ひとまず学科無事合格!

残るは要素試験+実技。

要素試験というのは、枝のほんの数センチを提示され、

「これはなんの樹種ですか」と質問されるの試験だそうです。

考える時間は数分。すぐに答えなければなりません。

八ヶ岳から京都に引っ越して間もなかった父ちゃん。

八ヶ岳で見てきた数々の樹は、思えば寒冷地仕様

京都とは、まったく植生が違ったためにほとんどわからず、

「あれは、間違えた。確実に。今回の試験はだめだ・・・・・」

と帰宅後やけ酒しておりました。

しかしながら運が強かったらしく、

なんと要素試験はパス!

実技試験に備えて真夏の油照りの京都で練習に励みました。

 

実技試験というのは、与えられた区画に、制限時間内(たしか3時間)に

石と竹垣を配置し庭を作る、という試験です。

しかしながらこの試験の日は雨が降りしきり、会場もドロドロ。

強運は要素試験で使い果たしたとみえて色々トラブルも重なり、

残念ながら合格ならずとなってしまいました。

本人いわく、「運も実力のうち。おれには実力がなかった」と。

 

そんなわけで、その後「技能士検定試験」は学科のみ受かったまま放置となりました。

郷里への引っ越しの際、

受検地が違った”学科のみ合格”の通知など、

茨城ではもう使えないだろうな・・・・と思いはしたものの、

あれだけ頑張ったんだから捨てられないな、という気持ちが私にあり、

”大事なもの”の引き出しにそっとしまって茨城に持って来ました。

 

今年になってふと、それの存在をたびたび思い出すようになり、

「もしかして使えるかも?」と私の中で思い立つ何かがありました。

学科合格通知をもいちど出してきて眺めてみると、

有効期限のような記載がないことに気が付き、

茨城県の技能検定協会に電話してみると

「受検地が違っても、全国統一試験なので有効です。

 有効期限というものありません」

と言うではありませんか・・・!!!

 

学科有効!!

ということは実技試験だけでいい!

これはやるっきゃない、

そう思い、父ちゃんを説き伏せました。

どうせ取るなら、若いうちがいい、

年をとればそれだけ体も動かなくなるし、

ましてや炎天下の実技試験など、今しかできないって!・・・云々。

 

最初、「どうせ受かるわけねえ」とか

「資格なんざどうせ飾りだ」とか、

言っていた父ちゃん。

それでも私はあきらめきれなくて、

「1級持っている植木屋さんと、肩書きなにもない植木屋さんが名刺やチラシを置いていったら、どっちを信用すると思う?!

 世の中、そんなもんなのよ。

 植木で食っていこうと思うなら、1級とってほしい!!!」

と何度もしつこく、手を変え品(セリフ?)を変え言い続けました。

 

私があまりにもしつこいため

「うるせえ! そんなに欲しけりゃおめえが受けりゃいいだろ!」

という暴言も飛び出しましたが(笑)

そんな状態でいたところ、

何の気なしに、こちらで加入している土建組合の冊子を確認したら、

資格取得奨励金で、合格すればお祝い金として1万円出るとのこと!!

 なぬ~~~!!

 

これは私も黙っていられなくなり、

「金一封出るってよ!!」と父ちゃんに報告。

すると突然、

「・・・・受けてもいいか。」

と言うではありませんか(笑)

受検料を心配していたのか???

1万円でそんなに心動かないでよ~~~!(笑)

 

いやいや父ちゃん、試験の練習に励む間の収入確保が心配だったようなのです。

(1万円では、受検料の足しにしかならないと思うけど・・・)

それに、実は自信がなかったのだそうです。

また、受けても落ちたとしたら、立ち直れないかもしれない、と。

要するに、トラウマになっていたんでしょう。

負けるケンカはしない人なので。

それに、試験の練習に充てる時間も確保できるかわからない

 

「そうだな、逃げてると、前に進めねえんだよな・・・」とポツリと言った父ちゃん。

 

そう。

私もかつて、保育士免許を取るために猛勉強した時期がありました。

学生時代に、入学わずか3カ月で短大を中退したために取得を逃した保育士資格。

いちど志したのに、折れてたどり着けなかったものと決着をつけねばなるまい、

そんな気持ちで、「30歳までにぜったい自力で取ってやる!!」

そう自分に誓い、まだ1歳にならない長男を抱えて猛勉強した日々。

やっぱり結果を出す以外にないんですよ、一度挫折したものと折り合うには。

 

 

試験の練習の間の収入は心配しなくていい、

今年たとえ10万円の減収でも、

この先にそれはぜったいに取り返せるから!

それに、貯金ならあるから・・・!!!

(それに産後、家にいてくれたら助かるから・・・と心の中でつぶやきながら(笑))

 

そう説き伏せ、「受検する」と言わせてしまいました。

 

試験日程は来月の発表。

でも、農業高校の圃場を借りて毎年やるので、

高校が夏休みの間だそうです。

暑くて大変な時期だな~

オトコ30歳! 再チャレンジがんばれ父ちゃん!