イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

1%の成果

昨日は風もなくあたたかい日でしたので、

またまた営業部長を背負っての自転車操業もとい自転車営業♪

 

私の住んでいる市は10年前の合併により3市町がひとつになりました。

私は旧町のエリア出身で、ザ・農村地帯です。

旧市だったエリアは城下町で歴史の面影残るスポットも多くあり、

駅もあり、商店街やショッピング施設も充実しています。

 

市内とはいえ、私の家と城下町エリアは端と端にあたるため、

行き来がありません。

さらには城下町エリアには一方通行の道が多数あり、

車同士のすれ違いが不可能。

よほどの用事がない限り、地元の人も行くことがありません。

 

その地域の旧住宅街をターゲットに、営業に行くことにしました。

駅付近に引っ越した祖母宅を拠点に、自家用車をガレージに置かせてもらい、

さらに祖母のチャリを拝借。

背中にくくりつけたチビ太を祖母に心配されながらも、

 「いってきま~す」!

 

遠い遠いと思っていた城下町エリアを自転車で走るのは人生初であることに気が付きました。

昔からある神社や武家屋敷、

おそらくずっと一見さんお断りし続けてきたのであろう懐石料理屋、

江戸時代からの甘露煮屋・・・・

知らなかった地元の姿が見えて来ました。

「いいところだなー・・・」

胸の中で何度もつぶやきながら、

いや、今日は観光じゃない!営業だった、と思いだし(笑)

それはもう立派な庭がある家も少なからずあり、

ご近所ではおそらく大尽と呼ばれているであろうその家の庭を眺めながら、

何代続く家なのかなーなどと考えたり。

 

「今日は100枚を撒ききるまで帰らない!」

と自分に目標を課し撒き始めましたが、

思いのほかチラシはどんどんと捌けていきます。

家が密集してると、こうなるのか!!効率良し!!

 

終わりのころになって、庭掃除をしているおじさんに出会いました。

「植木屋です!チラシだけでも、お願いします!」

と笑顔で手渡しすると、

「おや、植木屋さん? ・・・こういうのも、剪定してくれるのかい?」

おじさんが指をさした先には、二階家の屋根を覆う大きな木!

何だろうこの木?!と思いながら

「もちろんです!!」と二つ返事。

「そうかい、じゃあこの紙とっておくから、何かのときにはよろしく頼むよ」

と声をかけてもらい、

その言葉だけでも今日、ここのエリアに来て良かったー!!!

と疲れの吹き飛ぶ思いがしました。

 

100枚撒き切ったところでずっと寝ていた背中の営業部長が起きて

「そろそろ腹が減ったな」

と騒ぎ出したので、

いったん戻ることにしました。

帰り途に、昔独身時代にバイトしていた古巣のパン屋があることを思い出し、

1年ぶりくらいに寄ってみることにしました。

すると、懐かしいパートさんたちが健在で、

「あれー!!! 久しぶりじゃないのー!!」

と大歓迎され、

なぜに遠方に家があるすみれちゃんが自転車で、

しかも赤ん坊を背負っているのかと問われ・・・(笑)

 

かくかくしかじか、

チラシを100枚撒いてきたところで、

夫がこんな仕事をしてるんですよーと残っていたチラシを見せたところ、

「なあに?!植木屋さんなの?!!」と。

あれ、言ってなかったっけか?(笑)

店長も奥から出てきてくれ、

「ウチのレジんとこに、チラシ置いてあげるよー、お店のウィンドウにも貼ってあげるよー」

!!

なんて幸運なんだ!! ふらりと寄って良かったよーーーー!!!!

お礼にパンをたくさん買い込んできました。

人の親切が、本当にしみるわー・・・。

 

夕方、自宅で長男の宿題をみてやっていたら、

不意に電話が鳴りました。

「あのねえ、今日そちらさんのチラシを受け取ったんだけれど、

 うちの庭いくらかかるか見積もってもらいたいんだよ」

聞けば、庭掃除していたおじさんではありませんか!!

「うちに来てくれている造園屋さんさ、料金すごく高いのに仕事が雑なんだよ。

 いい庭師さんいれば、変えたいと思ってたとこなんだ」

連絡先を教えてもらい電話を切ると、

そばでやり取りを聞いていた長男がニヤリとしながら

「おかーさん、仕事とれたっぽいね?」。

母ちゃん、思わずうれし涙。

営業部長も、寒い中お疲れ様でした!!

 

本日午前中にお見積りにお伺いしたところ、

これまでの造園屋さんより3万円もお安くできることになり、

「それじゃ、ぜひ頼むよ。」と、

なんと4日もかかる大きな庭の仕事をいただきました!!!

見積もりから帰宅した父ちゃんと

「お疲れッス!!!」

とガッチリ握手を交わし、

チビ太営業部長にも「ありがとうございまッス!!」

と一礼(笑)

「あの大きな木は何の木だったの?」

と父ちゃんに聞いたら

「松だよ。おめえ、松くらい分かろうが」と・・・

「いやあ、あんな大きい松見たことないよ」、と返答したら

「確かに。あれで毎年剪定してたってんだからひどい話だよ、”きっとのびた枝だけチョンチョンと切って枯れたとこだけむしってたのかもしれませんね、毎年剪定していてこれじゃああんまりですね”と言ったら、やっぱりそうだよな、とおじさんもうなずいてたよ」と。

職人さんまだうんと若いし、踏ん張りがききそうだ、と目を細めてくれたそうです。

 

100粒まいて、1つだけ芽を出した種。

発芽率1%だけど、

でっかいでっかい芽です。

こいつぁ春から 縁起がいいやぁあ~