イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

「星笛」

娘はリコーダーが苦手。

音が頭にキンキンくるらしく、イヤなんですって。

自由練習なんつってクラスで友達が無秩序に吹いてるのなんか、

音の洪水に耐えられないらしく、逃げ出したいほどだということでした。

それで、リコーダーの授業はいつも逃げていたのですが、

個人テストがあるらしく、どうしたらいいかな、と本人。

やんなくても別にいいけど、家にリコーダーあるし、教えてあげよっか?

と提案したら、「やってみる」とな。

姪のおさがりで家にあったリコーダーで練習することになりました。

 

吹かせてみたら、あらびっくり。すんげー下手くそ(笑)

あんたちょっと蛇が出そうだよ、と(笑)

娘はちょうどコロナが流行しだした年にリコーダーの授業が始まったので、

音楽そのものの授業が極めて少なかったこともあり、基礎が全然できてない。

さらに、翌年もリモートが続いて笛やピアニカなんぞは出番なし。

もっと言えば、高学年は音楽会や鼓笛隊がこれまではあって、

それのために猛特訓のようなリコーダー攻めがあったはずなんですが、

鼓笛隊はすでになくなり、音楽会もコロナでなし。

そんなわけでリコーダーを教わる機会がほぼなかったんですね。

 

ヨロヨロした音を立て直すべく、

まずはタンギング(舌をつかって音を区切る)から。

「え、みんなこんなことしてないよ」

え?!みんな音を続けて吹いてるってこと?!

「うん」

えーーーーー・・・・学校で指導されないんかい。

去年担任の先生は吹奏楽部で音楽も専門だったじゃん。

「先生はすんげーうまかったけど、教えてもらってはない」

そんなことあるかいな・・・。

 

というわけで、ほんと1からのスタート。

本来は2年分のスキル蓄積があっての5年のリコーダーアンサンブル曲なのでしょうが、

2年分すっぽ抜けてのいきなりの難易度の曲。

何度か母ちゃん吹いて聞かせる。

何度かやるうちに娘も覚えてくれ、できるようになりました!

 

そんで当日はCD伴奏に合わせて吹かなきゃいけないというので(レベル高いな・・・)

やっと1曲、仕上がってきたのでyoutubeでその伴奏を探してみたところ出てきた!

便利な世の中になったねー。

学校の教科書の課題とか教材はけっこう検索すると出てきます。

それに合わせて練習。

そして最後は楽譜見ないでも吹けるようになりました!!

「・・・けっこう、リコーダーって楽しいね」

とは娘のコメント。

いやあ、あんたはほんとにいつも思うけど努力家だよ。

一回やると決めたらそうそう投げ出さないもんね。

えらいぞ!!

 

満を持して迎えた当日。

・・・予想外の展開。

娘は昨晩、練習する箇所を一部間違えていたんですって・・・・!!!

それで、テスト前の全体での練習のときに

「え???なんだこれ?どこ吹いてんだ??」

と少しパニックになったんだそうで。

でも、ちゃんと先生に

「どこをやっているのかわかりません」

と申告して教えてもらったんだそうな。

これはえらい。ほんとえらい!成長を感じる。

そんなわけで、初めて吹く小節がいくつかあったんだそうですが、テスト前の練習でそこもクリア。

そして別室でのテスト本番はノーミスでやりきった!!

先生は目を丸くして娘をまじまじと見つめ、

娘の頭を髪がくしゃくしゃになるほどなでてくれ

「やればできんじゃん!!!!」と大絶賛して喜んでくれたそうな。

そうですよね〜、いつもリコーダーの授業のときは逃げまくって、

人前で吹いたことがなかったんだというんですから

(当然ながら、過去の音楽の成績はとても悪かった)

この子はきっと吹けないだろうと誰もが思いますよ。

 

自信をつけるって、一朝一夕ではできないもの。

自分でトライして、コケながらも進むしかない。

今回はリコーダーだったけど、この経験はリコーダーのほかにもちゃんと波及することでしょう。

「やればできるんだ」という経験が何よりの収穫です。