イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

大晦日、平成30年。

今日で一年も終わりです。

思えば去年の大晦日は高萩にいました。

お母さんがまだ家にいて、

一緒に紅白歌合戦見たのでした。

そう思うと、一年のあいだに砂がこぼれるようにして

母のいのちは青い空の中に飛んで行ったような心地がします。

長年、わずらっていた病気ともその薬ともさよならして、

命を削るもとになった肺がんともさよならして、

お母さんは今ごろもうあかるい旅路でわらっていることでしょう。

亡くなる日の夜に、うちの父ちゃんは自分の母親の夢を見たそうで、

よく着ていた水玉もようの服をきて

「じゃあね、いってくるね~!」

とうれしそうに手をふって青空を背景にどこかに行ったそうです。

私はおなじ時刻のころ、

夢だか現実だかわからない場所に自分がいて、

もしかしたらそっち側はもう戻れない世界なんじゃないかな、

という心地のする夢を見ていました。

父ちゃんとは正反対で、私は紺色以外に何もない世界でした。

起きて、朝になり電話が鳴ったので「ついに来た」、とすぐに二人とも思ったのでした。

父ちゃんはその夢を見たおかげで今では、

「ばあ(お母さんのことをそう呼んでいた)は、もう大丈夫なんだな、

 今ごろは生まれ変わっているよ」

と思えて、湿っぽさは0%だそうです。

 

振り返れば、今年は娘が小学校にあがったり、

裏の土地を自分で登記手続きして買ったり、

さらには自分自身が保育園で働きだしたり、

大五郎がわが家に来てくれたり・・・・

とけっこう盛りだくさんでした。

この10年を振り返ると、一年おきくらいに子どもが生まれたり、

父ちゃんが転職したり、

引っ越したり、

などなど変化のない年というのは皆無にひとしく、

人間って、変わらぬ日常などないのだな、

というのが実感です。

抜き出してみるとちょっとしたニュースになるようなことも、

連綿と続く毎日と別々の出来事ではなく、

ぜんぶ、ちゃんとパズルのピースのようになっています。

この年になって、それが生きるってことなんだなと、

ようやく感じられるようになりました。

若い頃は、生涯一度ほどの大きな幸せがあるんじゃないかとか、

目の覚めるような青空が、この先にあるんじゃないだろうかとか、

そんなことばかり考えていたように思います。

そりゃ、飛びぬけて素晴らしいこともときどきはあるかもしれないけれど、

願掛けして、空から降ってくるような幸運はめったにない、

あったとしても、それは「まいにち」と同じなかにあって、

「まいにち」とおなじ価値だろうと思えます。

宝くじで100万円当たるのと、

こたつで家族と笑ってみかんを食べるのと、

しあわせの重さは同じ。

年をとったからでしょうかね。

熟してきましたかね(笑)。

食べごろは過ぎた気がしますがね。

 

みなさまと、楽しい日常をわけあえてしあわせです。

来年も、よい年になりますように!!