イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

靴がない

名札がないに続き、靴がない娘。

いや、あるにはあるんです。

でもね、前日に田んぼに落ちて中まで泥だらけの靴か、

弟にホースで水じゃあじゃあされて、水が滴ってる兄のお下がりか、

究極の二択しか靴がない昨朝。

 

朝になったら乾いてるかと思ったら、

雨のせいで二足とも乾いていず。

やむを得ず私がさらに掘りだしてきた兄の古いお下がりに

頑として首を縦に振らない娘。

玄関でひっくり返って泣きだした。

いや、泣きわめきだした・・・!

そうねー。気持ちはわかる。

今日、体育で運動会のリレーの選手決めするんだもんね。 

でも、靴はこれしかないんだよ。もうしょーがないって。

おーい!登校班行っちゃうよ!!

母ちゃんが何を言っても聞く耳持たず、

玄関の外で約30分裸足で大泣き。

兄はさっさと先に登校。そりゃそうだ。

 

8時近くなってもまだ収拾がつかず、

始業時間に間に合わなさそうな雰囲気。

はああああ。

んもう、仕方ない!!

「どっち履いて行くの?!」

と私もイライラしながら聞くと、

田んぼには落ちていないが濡れている方をどうにか指さす娘。

ドライヤーで乾かすことに・・・・

でも乾くわけないよな~。びちょびちょだもん。

「ねえ、こっちの、古いけど乾いているほうはいたほうがいいんじゃないの?」

と数回言ってみるも、

ぜったい譲らない娘。

もうしゃーない。勝手にしやがれ!とランドセルに靴下の替えを放り込む私。

靴はどうにかはいたけど、もう学校に行く気がない本人。

まだ泣いてます。

・・・引っ張っていくしかないか

と腹をくくって娘の手を握って学校へ。

 

いやだ~!いやだ~~~~!!

と泣き叫ぶ娘とランドセルを、

母ちゃんは運ぶ。

田んぼに響き渡る娘の絶叫。

近所では何事かと思われていたでしょうね~(笑)

裏の家のおばちゃんが目を丸くしてましたよ。

途中、農村集落センターのフェンスにかじりついて抵抗してみたり、

学校の門にしがみついたりで、

いやはや、徒歩1分の学校まで10倍の時間をかけて登校。

 

学校に入り昇降口につくまでも、

黄色い帽子をかなぐり捨てたり、

地団太を踏んだり、とにかく泣き止まない。

昇降口についた時には私の背中は汗でぐっしょり。

何やら騒がしい声を聞きつけて昇降口に一番にやってきたのは、

なんと校長先生(笑)

「あ!校長先生おはようございます。登校拒否1名です~!」

と母ちゃんごあいさつ。

「あらららら」

と校長先生が言っていたところに、真正面のトイレから手を拭き拭き出てきた教頭先生に遭遇。

泣きわめく娘を見て教頭先生開口一番

「あら~ 誰が泣いているのかなと思って(トイレの中で)聞いていたよ~

 **子ちゃんだったのかあ~」

と(笑)

「あ、おはようございます、教頭先生、登校拒否児童です~」

「ははははは」

 

校長先生と教頭先生でバトンタッチ。

教頭先生に、

かくかくしかじか、靴が自分の思うとおりにならなくて泣いてます、と説明。

すると教頭先生はスッとしゃがんで、決してきれいじゃない娘の靴を手の指でさわって、

「ほんとだね、そうか~濡れているんだね」と。

教頭先生のこういうところが優しいですね。

「うん、教室にいるあいだ、乾かしておこうね」

もう何もかも気に入らない娘はなんと母ちゃんの顔を平手打ち!!

現場を見た教頭先生はびっくり仰天してました。。。

そのうち、誰がよんできたのか担任の先生が急いで階段を降りてきた(笑)

それでも収まらない娘。

いやはや、これはもう先生に任せてしまおう~

靴のことで泣いてます、こういう理由で、

とかいつまんで話し、

「ではよろしくお願いします~」

と娘を(無理やり)先生に預けて母ちゃんは退場。

 

あ!ちび2名を家に置きっぱなしだった・・・・

と思って慌てて走って帰宅する途中、

笑いがこみあげてきました。

だって、教頭先生と話している時にも、担任の先生が降りてきたときも、

私は暴れまわる娘をどうにかしようってんで、

メガネが自分の熱気で曇ってたんですよ(笑)

もう、メガネ曇らせながら母ちゃん必死になってたと思うと可笑しくて。

家についたら、母が家にいないのにも気がついていずに、のんびり遊んでいた園児二人。

平和すぎる・・。

 

***

かくして、3時になって兄といっしょに下校してきた娘。

まだ朝のこと根に持ってむすくれていたら困るなあと思っていたら、

「リレーの選手になった~~~♪」

意気揚々と帰宅。

ああ、あれだけ泣ける根性あれば、この先なんでも一番になれるわ。