姪が泊まりに来ていた金曜日、
みんなが期待していたドラえもんがやらないと判明して、
がっかりする子どもたちに
「ねえ、映画みない?」
と声をかけたら大喜び。
(姪だけは「え、今から?!いくの?!」と驚いてましたが。)
この日は、前から気になっていた
『俺はまだ本気出してないだけ』
という、コメディー映画を見ました。
私、本能寺ホテルの回でも書きましたが、
俳優の堤真一氏が大好きなんですよ。
とにかく演技がうまくて、
目線ひとつ、背中ひとつで演じてしまう姿がめっちゃ素敵~!
ま、早い話がファンということです、ハイ。
テレビの連続ドラマは忙しい私には時間的に厳しく見てる暇がないのですが、
過去にV6の岡田氏と共演していた「SP」もいつかは見たいわ。
めっちゃカッコイイらしいじゃないですか。
その、渋いはずの堤氏がこの映画ではあり得ないほどの3枚目の役どころで、
見ているみんなで爆笑の連続でした。
勢いでサラリーマン辞めたはいいけど、
なにかやること探さないとと思ってプラプラしていて、
なぜか漫画家になると言い出し、
超前向きなのにどうしようもない、というダメな42歳が主人公。
ダメすぎるけど、
でも憎めない、
憎めないというか、周囲は諦め、なのかしらね。
でも、本人は前進あるのみで一生懸命なんですよ。
バカげた場面の連続ですが、
演出が利いていて、
ただのコメディーとはいい切れない、
笑いと切なさの絶妙のバランスの良さがあります。
大人になってしまった私や父ちゃんには響くところがあり、
「いいオトナが夢追ってるとこうなる」
という反面教師的な見方もある一方で、
「いつの間にかまとってしまった重たい上着を脱いで、
もっとがむしゃらに生きてもいいのかな・・・
自分らしさってなんだろう・・・」
と不意に自分の心の中をのぞかされるシーンもあり。
まさに、『俺はまだ本気出してないだけ』というタイトルなだけはある。
また、脇役として登場している26歳のグレてるフリーター(山田孝之)も
なんだか良くて、
やる気がなさすぎて、退屈過ぎて、人生が毎日がオモロなくて・・・というキャラなんですけど、
父ちゃんはこの26歳君に、過去の自分がオーバーラップしたようで、
「ああー俺も10代の頃こういうダメな若者だった・・・わかる、わかるよ・・・」
と何度も言っていました。
この26歳のフリーターも、ダメ42歳といっしょにいるうちに少しずつ変わっていくのですが、
その様子もいい。
爆笑の渦の中で、
いいあんばいにいろいろ考えさせられ、
見ていた長男は
「うまく言えないけど、なんかいろいろ感じた」
とのこと。
そう、そうなのよね。
全部がわかることなんて、人生にはなんの意味もないのよ。
他人の気持ちも、
行く先のことも、
自分の感情も・・・・
ぜんぶ、わからないことだらけなんだよね。
それを、たっぷり味わうのが、生きるってことなのかもしれない。
主人公の
「先のことなんて考えてたら、今を楽しめなくなっちゃうじゃない」
というセリフが良かったです。
コメディー映画が好きな方は、ぜひご覧あれ。