イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

頼れる妹

昨朝、保育園の支度をしていた娘が、アッ! と声をあげました。

「**ちゃん(兄)、箸セット忘れてる!!」

見ると、台所のテーブルの上に、長男の黄色い巾着袋。

「あっれー。忘れたねえ。」

と言った瞬間、娘は巾着をぱっと手に取り、

「アタシ、届けてくる!!」

玄関に向かってかけだしました。

 

長男が出かけたのはすでに10分前。

登校班の集合場所にもさすがにいないだろうなあ。

学校までは娘の俊足ならうちの玄関から5分かからない。まかせてみようかな?

「慌てなくていいから、気をつけてね!」

と声をかけると

「ワカッタ!!」

靴をはいている娘の、責任感に満ちたハリハリの声が返ってきました。

(よし、大丈夫!)

娘のその声を聞いて思いました。 

ほんとうは、道に飛び出さないようにとか、

会えなかったら持って帰ってきていいからとか、

いろいろ言いたかったけど、

きっと娘なら大丈夫、肚(はら)から声が出てるもの!

娘の能力を信じることにしました。

娘は、鬼ごっこしていても、ちゃんと家の前の道路に出るときは右左を確認するのを母ちゃんは知っていたからです。

 

かくして10分後、

「はーっ ただいまっ!!」

息を切らしながら娘が戻ってきました。

声がきらきらしているから、きっと成功したんだな、

と思って娘の手元を見ると、

兄の巾着は持ち帰りなし。

成功したんだね!!

さすが娘!

 

「ありがとう! 届けられたの? 会えたの?」

すると娘は

「**ちゃんはもういなかったけど、学校の門の中に入ったの」

「すごいね!一人で門の中に入ったんだ! 靴箱まで行ったの?」

「靴箱じゃない、門のとこで、あとからランドセルの背の高いお兄さんが来て・・・・」

「うん、それで?」

「あれっ、**くんの妹じゃない?って言って、

 どうしたの?って。 忘れものって言ったら”ぼくが届けてあげるよ!” って」

「そのお兄さんに預けてきたんだね?」

「そう!」

 

すごい!えらい!

さすがわが娘!!はしっこいな~

「ありがとうねー! きっと**ちゃん(兄)は給食無事に食べられるねー!!」

娘をむぎゅむぎゅ抱っこしながら言ったら

「もう、ほんとに**ちゃん(兄)はしょうがないんだから、ねえ」

といかにもやれやれというような声を出したので笑ってしまいました。

 

 

夕飯の時に、

「そういや、忘れもの番長さんは、妹にちゃんとお礼言えたのかな?」

と言ったら長男が、お礼も忘れていたらしく(笑)

「あ! そうだ・・・あ、ありがとうございましたっ」

と娘にペコリと頭を下げました。私は思わず笑ってしまいました。

「お兄さんに渡したって言ってたけど、ちなみに誰があなたのところまで届けてくれたの?」

気になっていたので、訊いてみました。

娘の話からすると、背の大きい黒いランドセルの・・・とは言っていたけれど、

他の学年の子では”**くんの妹だ”って気が付いてくれるわけがないよなあと思ってちょっと不思議だったのです。

「ああ! Rくんだよ。妹が、持ってきてたよって渡してくれた」

Rくんは、長男のクラスの子。

なるほど、少し背が高い。

娘からすれば、小学校2年生のお兄さんは4年生にも5年生にも見えるかもしれませんね。

娘には甘いが息子に厳しい父ちゃんはやり取りを聞いた後、

「こんどからは忘れものしないように気をつけろよ。

 妹が、届けるあいだに危ない目にあったらいけないだろ?

 次は届けなくていいからな。」

ビシっと一声。

 

それにしても、娘は頼れます。

もし、長男が年中さんの時だったら・・・・

一人で門の中には入れなかっただろうなあ~

まあ、自宅から至近距離なので学校にうさぎを見に行ったり、

授業参観のときにもたびたび行ったりしているから、

学校も、娘の気持ちの中では自分の庭なんでしょう。

自分が入学するころには、校歌くらい歌えているかもしれません(笑)

きょうだいは、下に行けば行くほど、どんどん要領がよくなりますね。

あっぱれ!