イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

23年のブランク

パルシステムという生協のチラシで

「ピアノ調律10,800円! 前回から何年開いていても追加料金なし」

という触れこみの広告を見つけたのが、まだ今年の前半の頃。

気になったけれど、その時はチラシだけ保存しておいて、

頼まずじまいでした。

9月に入り、もう一度チラシが配布になり、

「保育園でパートした自分の給料で、1万円くらいなら出せるかも・・・・」

という気持ちになったため、思い切って依頼してみることに。

 

今年の夏、自宅裏の戸建て付き100坪を売ってもらった話をここにも書きましたが、

うちにあるピアノはその昔、そのおうちから中古で売ってもらったもの。

 いとこがピアノを習っていた頃に、この家にやってきました。

 

一昨日来てくれた調律師さんがピアノの内部を開けた際に

調律記録のようなものが出て来て見せてもらったところ、

「平成7年」という記載が。

それが最後でしょうか?とたずねられ、

たしかに計算してみるといとこがピアノを弾かなくなったのはその頃だろうと推測できたので、

23年ぶりに内部が開けられたというわけです。

 

夕方にかけて来て下さったため、私も保育園のお迎えやら何やらで忙しく、

ゆっくりと話せなかったのですが、

1時間後くらいに様子をうかがいがてら声をかけたところ

「バネの部品が欠損していまして、鍵盤の戻りの反応が多少悪いとおもうのですが。」

と言われました。

いや、私が弾いている限りあまり違和感はなく・・・(笑)

思うに、私はこのピアノ以外で弾くことが一切ないため、

このピアノが基本になっている状態なんですよね。

たとえばレッスンしている人ならば先生の家のピアノが基準になるわけで、

それより弾きづらいとか弾きやすいとか、

もっといえば音に関しても、ズレているとかズレていないとかあるのでしょうけれど、

私はこれしか弾かないため、音の狂いもさほど気にならない。

音階の中で明らかににじんだ音が出る鍵盤が2つくらいありましたが、

その程度しか感じていませんでした。

 

調律というものの意味がわからない、という方のために超簡単に説明しますと、

基準になる「ラ」の音階の音を440ヘルツに合わせ、

それを基準として全体のひとつひとつを合わせて行く、

というのが調律です。

 

標準(基準)が440ヘルツなのに対し、

わが家のピアノは23年かかって自主的に436ヘルツになっていたらしく、

全体的に音のトーンが落ちていたようで、

調律が終わったあとのピアノの音色の、なんとなんと華やかなこと・・・!!!

たとえるならば40wのトイレの電球を、100wにとつぜん変えたような、

明るさと清らかさに満ちた音になりました!!

 

「23年も開かずのピアノの調律なんて、ほんとに申し訳ないですね」

と私が声をかけたところ、

調律師さんは

「いえいえ、今は殆どの家庭ピアノが10年以上開きです。

 お子さんが習っていて、やめて、そのあとお孫さんが遊びに来て弾くので久しぶりに・・・ と調律される方が殆どなんですよ。

 かくいう自分も高校1年までピアノやっていて、そのあとそれっきりですからじつは実家のピアノも同じ状態です。

 今は、20万円も出すと電子ピアノも相当にいいものがありますしね。」

と、私と同年代くらいの調律師さんはそう言っていました。

高校1年までおピアノ!!

いかにも草食そうに見えるこの調律師さん、じつは相当の手練?!

と見る目が変わりました。 

 

余談ですが、この調律師さんは天然パーマなのかファッションなのか、

髪の毛がバイオリン奏者の「葉加瀬太郎」にそっくりで、

身は痩せているためEテレの子ども番組フックブックローに出ていた「ケッサク君」にもそっくりで、

私は最初家に入ってきたときにそのヘアスタイルに「おお!音楽家!?」と思ったのですが、

ちゅーたんは保育園から帰宅してピアノの部屋へ行き、調律師さんを見て

「あたま、もじゃもじゃだね!!」

と明るく元気につっこんでいたので、こらえきれずに笑いました。

 娘も同じく気になっていたようですが

「あたし、しつれいだと思って言わなかった・・・・ちゅーたんってば」

とあとからクフフフフと笑っていました。

16時から始まった調律は18時に終了したのですが、

その間子どもたちはお風呂に入ったりしていて、

ちゅーたんとチビ太はパンツ一丁で走り回り、

「裸族なの?」

と調律師さんに笑われていました。

 

23年調律していないので、ピアノの弦が元に戻ろうとする力が強く、

調律された音階を保つのが難しいです、

次の調律まで1年間あいたとしたら1年間はもちませんが・・・

と説明があったのですが、

「趣味でひいているだけなので、それでもいいです。」

と返事しました。

 

そんなこんな、ピアノの音が良くなったおかげで練習が楽しすぎます。