日曜日。
子どもたち4人と、うちのばーちゃんを連れて、
陶芸の工房で絵付け体験をさせてもらってきました♪
10年来のお付き合いの、陶芸家のH先生。
坂東市に工房があります。
家で使っている子どもの茶碗が、割れたり欠けたりで人数分そろわなくなり、
お店で買おうと思っていてふと気が付きました。
子どもに、茶碗作らせたらいいんじゃないか?!
ということで、H先生にお願いしてあったのです。
最初、成形からさせてもらおうと思ったのですが、
作業工程がわりとあって、しかも出来上がるまでに時間が長くかかると言われ、
今回はとりあえず絵付けくらいがちょうどいいんじゃないかという話になりました。
オリジナルな器がつくれるなんて面白そう!
と思った私は、子育てサークルの友達の分もやらせてもらえるか交渉。
快諾してくださったので、H先生には合計24個の茶碗を作ってもらいました!
昨日行った工房には、先陣で来た友人たちの子の、カワイイ絵が並んでおりました。
H先生とは、うちの父ちゃんが、学生時代に陶芸をやりたくて工房を訪ねたのが最初の出会い。
だから、10年以上前のことになります。
父ちゃんがバイクで近所に買い物に行く途中で看板が目に留まり、行ってみたのだそうです。(今は看板はなくなってしまいましたが)
「おれ、去年から陶芸やっているんだよ」
付き合って間もないころにそう言われ、
陶芸?! 面白そう!
と思ったものの、バイトばっかりしていた私は時間がなくてできず。
そうこうしているうちに、父ちゃんが遊びに連れて行ってくれ、
工房でコーヒーを淹れてもらったのが私の最初の記憶。
ちなみにH先生は私の母よりちょっと年上の女のかたで、ざっくばらんを絵に描いたような素敵な人柄です。
やがて私たちが結婚することになり、
引き出物は何がいいかと考えたときに
「H先生の器がいい!」
と思いつき、
器の底に私たちの名前を入れた小鉢を作ってもらいました。
その後、わが家で子どもが誕生するたびにH先生には内祝の品をお願いし、
うちの茶碗箪笥(水屋、とも言うみたいですね)はH先生のお皿がい~っぱい!
H先生は、”昭和のおっかさん”を絵に描いたような人。
情け深く、困っている人をほうっておけなくて、
でも、良いことは良い、悪いことは悪い、
とにかく善悪だけはハッキリ。
私は、H先生のそんなところが大好き!
私もH先生も、とにかく笑い話や冗談が大好きで(しかもお互いに口が悪いときたもんで!)、
10年経った今では父ちゃんより仲良くなって、まるで親戚みたいにしてもらっています。
子どもを連れて行けば変な芸も仕込んでくれるし、
悪さをすればちゃんと叱ってくれます。
だからうちの子どもたちもH先生が大好き!
私にとっては、「実家の母」みたいな人であり、
また、私は行く先30年後にはH先生みたいになっていたい、とひそかにロールモデルにしているのであります。
去年こんなことがありました。
自宅で私が出産したあと、次男が熱を出してしまい、
実家の母は仕事で休みがとれず、
父ちゃんも盆前の書き入れ時で休めず、
長男も夏休みで、新生児もいて、私も床上げ前で・・・・・
とにっちもさっちもいかなくなったときに
「H先生、本当に申し訳ないんですけど実は次男が熱を出しちゃって・・・」
と電話したら、その先を聞かずに
「ハイハイ~~行くわよ~!!」
と二つ返事で駆けつけてくれました。
うちの玄関の呼び鈴を押して入ってくるときに、
「家政婦紹介所から来ましたー!!」
と元気いっぱいな声で網戸をあけて来てくれ、
このときの私の笑いようと、嬉しさといったら、今でも思い出せるくらいです。
人にものを頼むのがずっと苦手だった私。
自分でできることはなんでも自分でやるつもりで暮らしてきて、
子ども時代に母が忙しく働いていたということもあって、
「一日も早い自立」をずっと求められてきました。
人に助けを求めることや、頼みごとをするということがどういうことなのか、
改めて感じたり、考えたりすることがないまま大人になり、
結婚して子どもをもってからは、自分の力だけではどうにもならないことが多くなったにも関わらず、
自分でどうにかしなければいけない、
頑張りが足りないからうまくいかないんだ、
そういう気持ちで30歳まで過ごしてきました。
子どもが3人になり、4人になって、
ようやく、「私、今困ってます」と人に助けを求めることができるようになりました。
私の腕の本数より子どもが多くなって、
もうこりゃお手上げ!と思うことが増えたのですね。
色んな人に助けてもらいながら、4人目のお産を迎えました。
H先生にヘルプをお願いしたその日、外は朝からカンカン照りの猛暑。
申し訳ないです、暑い中すみません・・・と頭を下げる私に
家政婦紹介所から来た(笑)H先生はニコニコしながらこう言いました。
「あなたね、人に頼りにされるって嬉しいことなのよ!
わあ~、何してあげようかしらって、そう思うものよ!
さ、なんでも言って!」
そう言って、風呂敷の包みをあけて、できたての茗荷とシソの混ぜご飯と自家製梅干、
夏野菜を刻んで出汁につけたおかずを次々に出してくれました。
”人に頼りにされるって、嬉しいこと”・・・・!
H先生の言葉に、目の覚めるような思いがして、
私はやっとやっと、人に甘えることのできる扉が開いた気がしました。
H先生、最高に面白くてめちゃくちゃパワーがあって、ほんとうに素敵な人です。
ぜひ、お近くのかたは会いに行ってみてください。
きっと、一度会ったらクセになってしまうと思いますよ!