イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

のっとり

6年前、長男がまだおなかにいたとき、

うまれてくる子には、きっとこうしてあげよう、

こんなふうに子育てしたい、

こんなふうに育ってほしい・・・

いろいろ思って考えて妊婦は想像を膨らませ、

それはきっと楽しいに違いない、と夢あふれる子育てライフを心に描いたものです。

 

ところがどっこい、

産むのが大変だと思っていたら大間違い、

産むのは当然つらかったけど、

産んでからのほうが断然すさまじかった・・・。

 

①ごはんをゆっくりたべられない

②睡眠がいとも簡単に妨害される

③鏡を見る暇もない(当然、髪を切る暇もなし)

 

この3つあたりが代表格でしょうかね。

自分だけど、自分の時間なんてぜんぜんなくて、

自分じゃなくなってしまった、長男にのっとられた、という感じでした。

 

これが、夜もよく寝て泣き声もおとなしい赤ちゃんだったら

おそらくお母さんは少し余裕があるのだと思われますが、

私の場合、長男は夜はぎゃあぎゃあ泣いて

父ちゃんだとこれまたぎゃあぎゃあ泣いて

おっぱい飲んでも30分しか寝なくて抱っこを要求してくるような赤ん坊だったので、

新生児の彼を見つめて、

「なんてこった・・・思ってたんと違う・・・違いすぎる・・・。」

と途方に暮れたものです。

赤ちゃんってかわいいね、と周囲は長男を見て言ってくれるけれど、

私はかわいいなんてものとはほど遠すぎて、

「自分はきっと母性が足りないんだ・・・ひどい母親だな・・」

としょんぼりしたこともたびたびありました。 

 

あのときを思い出すと、

まさか自分が、4人もの子どもを産むことになろうとは、

想像もつきませんでした。

一人産んで育てるのにこんなに大変だったら、

いったいどうなっちまうんだ、

こんなんじゃ2人や3人だなんて、私の手に負えるわけがない・・・!

そう確信していました。

 

今、現実に3人を育てていて思うこと。

のっとられ感は、ずっと6年間絶え間なく続いているけど、

けっしてのっとり量は3倍にはなってないな、という感じ。

最近は長男もサルからヒトへと育ってくれたので、

二男のお世話もちょっとだけなら頼めて助かります。

娘は世話焼きな性格なので、

いろいろと二男のことをやってあげたがります。

子どもたちも子供の世界でまとまってくれることがあって、

案外と世話がかからないものです。

ま、料理と洗濯物の量は当然3倍なんで、

そこだけは端折れないですが。

 

今ではもう、のっとられ感に慣れてしまい、

これが当たり前。

ご飯時は戦場、

眠りはたびたび妨害されても、細切れで熟睡できるようになり、

髪を切れないのはたいしたことではなくなってきます(爪が切れればそれでいいや、くらいのもん)。

 

その慣れを人から「ベテラン」と言われると違和感があり、

けっしてやっぱりベテランにはならないのだけど、

「どーでもいい感」は増すばかり(笑)

子育て論はどこへ行った!

そして気がつくのです。

「子どもは、ほっといても育つんだなあ・・・」と。

 

こないだの、子どもたちのやり取り。

娘「おかーさん、どうしてうちのお母さんはお化粧しないの?」

長男「あ!わかった! お化粧の道具を買うお金がないんだね!!」

明るく言う長男に、母は肩の力ガックリ。

母「お化粧しなくても、じゅうぶんきれいだからしないのっ!!!」

 

いつかは”のっとり”も終わってしまうらしいので、

今は今を楽しみます!

自分の時間も、自分のための貯金もぜんぜんないけど(いや、そういやこないだ1万円もらったな!)、

それはあとからやればいいや~