イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

働くって

今年、正月休みが明けるころに家の電話が鳴り、

「あの、ホームページを見たんですが、剪定の見積もりをお願いできますか」

という、なんとも夢のような電話がかかってきたんであります。

ホームページを開設したのは9月。

かかってくるのは、経営コンサルタントやら、

金貸しと思われる番号やらばかり(笑)

あまりにも世話が焼けたので、

ナンバーディスプレイに加入したほど!

 

そして、地元で種まきするには・・・・

手書きチラシをつくったのは10月頃。

それでも、

「チラシを見たんですが」という電話のお問い合わせ一本もなし(笑)

 

そうさね~、やっぱり、

植木の仕事ってそんなに簡単に依頼のあるもんじゃないんだって、

鳴かず飛ばずでも、がっかりすることなく、

まあ、日々精一杯やろうじゃないか、

と父さんと励ましあったものでした。

 

それでも、昨年は同じ生協の組合員の方が、

「植木屋さんなの?! ぜひお願いするわ~

 今まで何年もお願いしていた人が、廃業するんですよってあいさつに来たので、

 次はどこに頼もうか、ちょうど困っていたところなの!!」

なんてうれしい出会いもあり、

また、陶芸のお師匠さんがお友達を紹介してくれたり、

と、いろんな繋がりで植木のお仕事いただくことができました。

 

そでれも、それでも電話で「ホームページを見て・・・」は初めてでしたから、

本当にうれしくて、

さっそくお見積りにお伺いしたら、

お願いします、と即決してくださり、

もう、その日は踊りながら刺身を買って

エビスビールで乾杯しました!

 

そんな経緯あって週末にお伺いした、ご新規のお客様宅。

 

職人の仕事は、

結局、値段云々よりやっぱり、

いかにいい仕事をするか、ってことなんだと思う、

と普段から言っている父ちゃん。

値段が安いから次も頼もう、とかじゃなくて、

仕上がりを気にいってもらって、

次もお願いしたいなって、

そう思ってもらわなきゃダメなんだよ、

長男によく言い聞かせています。

 

切った枝の片づけを、お客様も手伝ってくれ、

いっしょに話しながらの作業だったそうで、

うちの父ちゃんよりほんの少し年上だという旦那様と、

子どもの話や仕事の話、

いろんな話を、作業の合間にしながら、半日過ごしたそうです。

 

思ったよりも仕事がはかどり、

午後までかかる思っていた仕事は昼で終了に。

 

きれいになった庭を見て、お客様が

「わあ、木がさっぱりして、ほんとうにきれいになった。

 新築したときみたいな気分です。」

と喜んでくださったそうで、

それを聞いて、本当にうれしくて、

胸がいっぱいになった、と父ちゃんが言って帰宅しました。

「また、次もよろしくお願いします」

と、なんとお客様のほうから言ってもらったそうで、

本当にありがたいなあ、としみじみ、父ちゃんが言っていました。

ほんとう、ありがたいです。

 

 

正直、仕事って、なんのためにしているのか、

ときどきわからなくなることもあります。

お金のためじゃないはずなのに、

じっさいそうも言ってられなくて、

諭吉さんの顔に頭を下げる場面もあったりします。

父ちゃんも、

ほんのたーまにある、夜逃げ現場の激汚クリーニングのときなんかは、

帰宅しから、精魂尽き果てて、

もうこんな仕事つらすぎる・・・

とこぼすことも(^^;

 

 

でも、ほんとは、誰かの役に立つ、

誰かに喜んでもらうってことが、

はたらくってことなんだよね、

今日は、ほんとにいい仕事させてもらえたね、

よかったね、

そう話しながら夕飯を囲みました。

 

自営業なので、日々ぜいたくも遠く、

子どもにも色々買ってやれないけど、

でも、子どもは生まれたときからそんな環境なので、

さしてそれを気にするふうもなく(笑)

ときどきしかものを買ってやれないので、

サンタクロースなんか、うちの子にとっちゃ、

もうほんと神様の域です。

 

働くってことを、

うちの子どもたちが、

それぞれの感性で感じとって大人になってくれたら、

それがいちばんうれしいな・・・

大人になったら、

働くしかないんだもんなあ。

そんなことを話しながら、

外は寒風吹き荒れる中、

こたつで豆乳鍋を囲んでもぐもぐと食べたのでありました。

 

しあわせって、こういうことなんだよねえ。