イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

タイのママ

入院中、向かいのベッドにタイ出身のママとその娘が入院してきました。

うちの二男と同級生の女の子。

長い夏風邪から肺炎に・・・というまったく同じ経過をたどっての入院でした。

入院翌日から急に相部屋に移動になり、

ちょっと気を使うかもと案じていたのですが、

「こんにちは!よろしくおねがいします」とこちらから声をかけたところ、

とっても上手な日本語で返してくれ、すぐに仲良くなりました。

 

自他共に認めるフレンドリー人間の私。

殊、外国人となればなおさら、どんどん仲良くなります。

 

「あなた、日本人じゃないみたいよ?」とタイのママに言われました(笑)

なんで?とたずねたら、

日本人は、外国人とわかったら目も合わせてくれない、話しなんて全然してくれない、というのです。

申し訳ない気持ちになりました。

みんな、悪気はないんだろうけど、言葉が通じないかもしれないと思うと、

めんどくさいなって思うのかもしれない、と話しました。

 

入院中は、重病でもないので母子ともに暇といえば暇なので、

いっしょに遊んだり、おしゃべりしたり。

タイのママはいろんなことを話してくれました。

 

15歳のときに、初めて日本へ来たこと、

農家へ嫁いだけれど、大おばあちゃんに外国出身だからといじめられ続けて、

堪忍袋の緒が切れて離婚してしまったこと。

子どもがいるけれど、定職がないこと、

面接の日を間違えて、採用されないことが多いのが悩み・・・

などなど。

お母さん一人で、2人の子を育てているそうです。

 

シングルマザーでは、さぞ大変だろうね、と言うと、

お金の面では大変だけど、友達が助けてくれる、とのこと。

実際に、お友達が付き添いを代わってくれたりしていました。

子どもも本当によくなついていて、

お母さんがいなくっても大丈夫!

きっと、普段から家族のようなのでしょう。

 

お国柄なのか、ママもお友達もすっごくおおらかで、

私も負けずにオープンな性格なので、

ベッドのまわりのカーテンは常にあいていて、差し入れが行ったり来たり(笑)

 

私はテレビはもともと見ないので必要なく、

テレビカードなるものは買わなかったのですが、

タイのママは子どもに退屈しのぎにEテレを見せるのにテレビカードを購入。

「いっしょに見ようよー!」とテレビを傾けてうちの二男にも見えるようにしてくれました。

おおらかなやさしさにふれながら、

日本人と相部屋では、なかなかこうはいかないだろうなーと感じていました。

 

それなりに親しくはなっても、

迷惑かもしれない、

うるさくないかしら、

こどもが泣いて申し訳ない、

な~んてことを、きっと地味に1日中、お互いに思いながら過ごしてしまうことでしょう。

相部屋がタイのママで、本当に良かった!

 

 

私たちのほうが先に退院となり、本当にさみしがってくれ、

夜こわいよー!と言って笑わせてくれました。

 

 

入院中、子どもを寝かせるとき、きっとふるさとの子守唄なのでしょう、

それをやさしい声でうたってあげていました。

タイの両親もすでに亡くなり、きょうだいたちとも会うことがなく、

8年、もう帰っていないとのこと。

まったく知らない国の子守唄を聞きながら、

そのママが育ったという田園地帯を、ちょっと想像してみたりしていました。

 

もう、会うことはないかもしれないけれど・・・・

心にのこる出会いになりました。