イバラキ農村風呂

ゆっくりしてけ~

「こっかいってなに?」

今回、自宅で出産したときに、

出てきたのが男の子だとわかって、

いちばん最初に思ったのは

「ぜったいにこの子を戦争になんてとられたくない」

ということでした。

無事に出産でき、赤ちゃんも元気だとわかって、

はじめて腕に抱かせてもらって顔を見た時に、

心の底から、ほんとうに自然にそう思いました。

男の子を何人も産んでますが、そんなことを思ったのは今回が初めてでした。

 

昨日、子どもたちといっしょに国会前のデモの様子をテレビで見ていました。

ふだんから、子どもには

テレビは嘘っぱちだから見る価値がない、

などとうそぶいているため、

長男から「おかーさん、テレビなんてうそばっかだっていつも言ってるじゃん!」

と真剣に抗議されました。

たしかにその通り。

でもね、今、やっている内容はほんとなんだよ、

しかも、今、ちゃんと見ておかないといけないんだ、

そう話しました。

「こないだ、台風のときも、台風どうなったかな、

 とかテレビで見ていたでしょ?

 それで、川の堤防が崩れて大変なことになったのも、

 いっしょに見ていたでしょ?

 それと同じで、みなきゃいけないニュースってのがあるんだよ」

 

「こっかいってなに?」と父ちゃんに聞く長男。

「昔、日本は戦争をして負けたんだ。

たくさん人が死んで、

食べるものもなくって、

すごく大変な暮らしが長く続いたんだよ。

だからもう、戦争なんて二度としません、

って世界中の人に約束したんだよ。

でも、今夜、この約束をやぶろうとしてるんだ。

今、大事な決まりを壊そうとしてるのが、

安倍首相と、自民党公明党とかの国会議員。スーツ着てる人たちね。

国会議員がこの建物の中に入ってる。

それを、やめろ!!って言ってるのが、この建物のまわりにいる人たち。

お父さんもお母さんも、ここにいる人たちと同じ気持ち。

ほんとうはここに行って、いっしょに叫ばなくちゃいけないんだけど、

赤ちゃんもいるから、全員連れて東京まで電車で行けないっていうわけなんだ」

父ちゃんが説明しました。

 

スーツ着てる人たち全員が悪者だと認識してもまずいので、

「この人たちは、約束やぶるな!!と反対している人たちね」

と画面を見ながら私が補足。

 

購読している小学生新聞によって、戦争というものの知識も少しあり、

夏休みに折をみて、少しずつ、私のできる範囲で、

小1にも受け止めきれる範囲で、話をしてきました。

そのたたき台があったので、昨夜のテレビでの中継を見ながら、話をすることができました。

 

 戦争になったらどうなってしまうのか、

あの画面を見ながら、

法案について説明するのにも、

言ったら言霊でほんとになってしまいそうで、

言葉にするのがためらわれました。

だって、こっかいってなに?と聞いてる本人たちが、

一番苦労するかもしれないのに・・・・

 

「日本の国の歴史が、ここでいっぺんに変わってしまうかもしれないんだよ・・・」

そう、自分で言いながら、

私も言葉にならない恐怖が心の内側で膨れるのがわかりました。

変わってしまったらどうなるのか。

おそらく、目に見える変化はないでしょう。

たぶん、普通に買い物もでき、

食べ物もあり、

着るものもある。

 

でも、確実に、見えないところですすんでしまう。

がんばって働いたお金から納めた税金も、

あまねくいっさいの国民から、

どんどん集めた消費税も、

どんどん「国を守るため」と称して使われて行ってしまう。

 

70年間、守り続けた最高の世界遺産が、

爆破されてしまう。

世界遺産の遺跡をどんどん破壊している外国の彼らと、

やっていることは何にも変わりがない・・・

昨晩はサムライくんとそう話しました。

 

子どもたちを守るのには、どうしたらいいか・・・・

4人の子どもたちが無邪気にテレビのそばで暴れているのを見ながら、

なんてちぐはぐな光景なんだろう・・・と胸がくるしかったです。

 

一方、同じ県内では被害にあわれた人たちが、

避難所で暮らしています。

国をゆさぶる法案であるのは百も承知だけれど、

今は、災害直後なのではないのか、

審議は逃げないのだから、

ひとまずおいといて、エライ人たちみんな被災地にかけつけるべきじゃないのか。

どさくさにまぎれて法案通しちゃおうなんて思ってるんじゃないのか、

サムライくんと二人でテレビを見ながら、

憤っておりました。